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2022/09/27

歯科学関連の書籍など 【約30冊 18,745円】 「必ず上達 抜歯手技」2010年 、クインテッセンス出版

今回は歯科学に関する書籍をまとめて買取いたしました。以下に特に良い査定額となったものを紹介します。

「エンド・ペリオ病変の臨床歯内-歯周複合病変 診断と治療のストラテジー」
「驚くほど臨床が変わる!こだわりペリオサブノート」
「基本クラスプデンチャーの設計」
「必ず上達 抜歯手技」
「Dr.弘岡に訊く 臨床的ペリオ講座 Special Issue 歯周病とインプラント周囲病変の患者説明ブック 」
「臨床で困らない歯内療法の基礎」
「骨増生テクニック&骨補填材料2020国内トレンド」
「ペリオの臨床戦略を学ぶ歯周動的治療」
「歯学生のパーシャルデンチャー 第6版」
「歯周基本治療で治る! 歯周基本治療で治す!」
「臨床歯周病学 第3版」
「パーシャルデンチャーテクニック 第6版」
「Endodontology (藤本研修会Standard Textbook)」
「FGF-2と歯周組織再生療法」

などなど。

上記リストには発行年が最近のものばかりが並びました。一番古いもので2007年発行のもので、最新は2021年ですね。医学分野の書籍は新しいものに高い査定額がつく傾向があります。医学に限らず常に新しい情報が重視されるジャンルのもの(ビジネス書や科学技術、法律関連の実用書など)は古くなると価値が下がってしまいますので、もう使わないという本がある方は是非古くなる前に当店にお譲りください。

医学専門書ですと職場で使われている研究者の方やお医者さまも多いと思います。そこで気になるのが蔵書印や記名ですが、当店では署名・サインがあっても買取いたします。(※状態により減額することがございます。詳細は当店HPへの「買取できるもの・買取できないもの」をご参照ください。)元の所有者の方の個人情報は抹消した上で再販いたしますので、ご安心くださいね。

 

さて、今回ご紹介する本はこちらにいたしました。

「必ず上達 抜歯手技」(堀之内 康文 著、2010年 、クインテッセンス出版)

※苦手な方もいると思うので一部画像にぼかしを入れてあります。

雑誌や単行本含め、歯科関連書籍をたくさん出版しているクインテッセンス出版からの1冊です。

テーマはそのものずばり、抜歯です。

誰もが歯医者で経験したことがあるであろう抜歯。

乳歯からの生え変わり程度であれば歯医者さんの手を煩わせることは稀かも知れません。でも、上の表紙のやや右上、歯根がまるで海辺でジャンプしている若者を彷彿とさせるようなこんな歯を抜きますと言われたら・・・ゾッとしませんか?

きっと、歯医者さんも患者さんと同じぐらい、いや、もしかしたらそれ以上にゾッとしているに違いありません。

 

臨床の歯科医師さんたちの抜歯に対する不安は本書巻頭の「推薦のことば(九州大学教授・中村誠司氏)」を読むことでも推測できます。(以下、「」内 抜粋)

「抜歯はもっとも頻度の高い歯科手術でありながら、うまくいかなくて悩んでご経験は誰でもおありだと思います。」「困ったときにこそ基本手技に立ち返り、見直すことが大切です」「本書の内容は経験の浅い歯科医師にはもちろん、かなりの経験を積んだ歯科医師にとっても大変有用な書であると思います。」

患者も不安ですが、歯医者さんも不安なのが抜歯なのです!

・・・そう考えるとさらに不安になりますが、そうならないための手技・オススメの器具などが具体的に分かりやすく解説されているのが本書です。

 

著者の堀之内氏は大学病院の口腔外科に20年以上在籍し、難抜歯の取り扱いに数多く携わってきた抜歯のスペシャリストです。本書はその堀之内氏が歯科医師会やスタディグループ、その他の講演会などで抜歯について講演した内容の一部を歯科専門雑誌「The Quintessence」上に連載記事として発表したものに加筆してまとめられました。(本書「はじめに」より要約。)

どれくらいの難抜歯をこなしてきたかというと、実際、著者が抜いたという珍しい歯根形態の抜去歯が写真で紹介されているので、ちらっと紹介します。↓

・・・表紙の「海辺ジャンプ」歯根含む、曲者の歯たち。こんな歯でもきれいに抜ける!という著者の話なら俄然説得力が増しますね。

実際、PART2の「抜歯手技」では鉗子による抜歯、ヘーベル(歯医者さんにあるいろんな形状の先端パーツがある千枚通しのような、ヘラのような器具)抜歯、歯の形状別の抜歯方法などケース・バイ・ケースで実際の症例写真と、なぜそうやって対処することが望ましいのかが解説付きで掲載されており、まったくの門外漢の素人でも「なるほど!」と理屈が分かるくらいの分かりやすさでまとめられています。

また、PART1では「 抜歯のまえに」として、患者さんへの接し方や基本手技(切開・剥離・縫合・結紮(けっさつ)・抜歯)、局所麻酔の基本情報や局所麻酔にともなう全身的偶発症など、現場の医師が「今更ひとには聞けない」、かつ現場で役立つ必要情報が抜粋されて載っています。

結紮(けっさつ)=主として止血のために、血管や組織のある部分を糸などでかたくしばること。「紮げる」は「からげる」と読みます。

PART3 では「抜歯のトラブル」として、「抜けないときの対応」「抜歯後の処置」「偶発症とその対応(出血・神経損傷などなど)」への対処方法が、こちらも簡潔に分かりやすくまとめられています。

「抜けないときの対応」(CHAPTER13)の見出しに

「同じ操作を延々と続けないで、つぎの手(対処法)をつぎつぎと繰り出す

と書かれているのを見たときは、思わず「繰り出す!」と声に出して復唱してしまいましたが、患者の立場で考えると意外と共感できます。(例えば、血液採取でも採れない血管をしつこくグリグリされるお医者さんがたまにいますが、あれ、止めてほしいですよね。)

こんな感じで、もちろん書かれていることは至極もっともなことなのですが、どこか教科書っぽくはなく現場の理論で磨き上げられた手技を紹介してます!という雰囲気が全体的にその文体からもにじみ出ています。

 

もちろん、本書は専門書であり歯科医でもない一般人が触れることは滅多にないものではありますが、医師から一方的に耳慣れない医学用語で治療方針についてまくし立てられたり、偶発症などのトラブルに見舞われたりした場合でも、本書を読んでいれば

・自分の症状や状態がどんなもので

・それに対して医師がちゃんとした治療をしてくれた、あるいは対処しようとしてくれたのか

を判断する材料にはなるなと思いました。そこまで完璧な理解は無理だとしても、患者側が知識を用意しておくことも損ではないですよね?

 

歯医者が大嫌いなわたしですが、次に治療を受ける際にはちょっと知ったかぶりをする嫌な患者として受診してみようと企んでいます。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

スタッフN

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