2026/05/22
菊川英山 美人画 ほか【3点 61,000円】
買取日記ジャンル
今回は菊川英山(きくかわ えいざん)の木版画浮世絵を中心にまとめて3点 61,000円で買取させていただきました。
英山(天明7年〈1787〉- 慶応3年〈1867〉)は知名度が高いわけではありませんが、知る人ぞ知る江戸後期に活躍した浮世絵師です。
今回は、英山のちょっと切ないエピソードにも触れながら、実際に買取させていただいた作品もあわせてご紹介できればと思います。
目次
英山について
英山は「美人画といえば喜多川歌麿」という時代で育ちました。
そんな中、1806年に歌麿が急死します。これが、英山の絵師人生における大きな転機となりました。
もともと歌麿風の絵を描いていたこともあってか、英山の作風は歌麿によく似ていました。そのため、歌麿亡きあとの「跡継ぎ」的な存在として、美人画や挿絵で人気を博していくことになります。
英山を語る上で欠かせないのが、彼が浮世絵の表現を大きく広げたことです。
天保中期ころに流行した縦の二枚続き「掛物絵」を創始したと言われています。その迫力ある美しさは、他の絵師たちが模倣するほどの大流行となりました。
また、「6頭身」の美人画を確立しました。
当時の流行りはスラリとした「12頭身」でしたが、英山が描いたのはより人間に近い6頭身の美人です。これが「可憐で親しみがある」と江戸の人々に受け入れられました。
こうして菊川派の祖として大人気となった英山ですが、弟子である「英泉」(渓斎英泉 美人画 ほか【3点39,000円】)の登場で状況が一変します。
皮肉なことに、弟子である英泉が圧倒的な人気を誇るようになると、英山は次第に仕事を失っていきました。かつての人気絵師の座を弟子に譲る形となり、晩年は群馬の藤岡市で過ごすこととなります。
買取作品のご紹介
左「灯明皿を持つ美人」 右「提灯を持つ美人」
どちらも黒目が大きく、英山らしい「六頭身」のほっそりとした立ち姿が印象的です。右手に持つ提灯や灯明皿などの小道具も、どこか可愛らしさを添えていますね。
およそ200年も前の作品ですが、それを感じさせないほど保存状態が良く、大切に保管されていたことが伝わってきます。
江戸大節用海内蔵
「江戸大節用海内蔵」とは江戸時代に刊行された庶民向けの実用辞書・百科事典みたいな存在です。
漢字の読み方や日常語、地名、人名、さらには商業用語まで網羅されており、当時の人々に広く親しまれていました。
巻頭に木版画による付録図版が添えられている点も特徴的です。
今回の買取について
状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、3点 61,000円とさせていただきました。
下表は今回の買取品とその査定額の一覧です。似たジャンルの版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。
| 絵師 | 作品名 | 買取価格 |
| 菊川英山 | 灯明皿を持つ美人 | 8000 |
| 菊川英山 | 提灯を持つ美人 | 18000 |
| 菊川英山(画) | 江戸大節用内蔵 | 35000 |
スタッフJ
【参考文献】
刀剣ワールド/浮世絵「浮世絵師「菊川英山」の生涯」https://www.touken-world-ukiyoe.jp/ukiyoe-artist/kikukawa-eizan/(2026年05月13日参照)
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