今回は建築関連の書籍を多数買取いたしました。歴史ある建築物の解説書だったり、新たな建築工法についての書籍だったり、建築に関するものだけでもバラエティに富んだ内容で、素人でも「面白そう！」と思えるものがたくさんありました。

　中でも、マニア心をくすぐりそうな珍しい本がこちら。「図鑑瓦屋根　改訂版」（1987年12月　改定第2版）です。

　世の中にはいろんな思いもよらない図鑑や専門書が存在しますが、日本の「瓦屋根」に特化したものは、その中でもかなり珍しいのではないでしょうか。著者の方もまえがきで「類書がない」とおっしゃっていますが、それ故に「瓦について知りたければコレ！」というファン垂涎の一冊と呼べるでしょう。

　中身はというと、1400年前に瓦の製法が日本に伝わって以来の古いものから、新しいもの（といっても、出版当時のものとしてはという意味ですが）まで様々な実用的な瓦、装飾的な瓦までが図付きで紹介されています。その瓦の数たるや740点！古い瓦については、歴史的遺構から出土したもののスケッチも多数あり、考古学的にも参考になると思われます。他にも瓦に彫刻される家紋などの文様や、瓦の使用実例46棟が写真等も交えてギュッと凝縮されて掲載されており、日本家屋や寺院などを鑑賞する際にも楽しめそうな知識が得られます。

　足元には注意が必要ですが、ちょっと瓦を眺めて町ブラしたくなる、そんな素敵な一冊でした。

　今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました！