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スタッフブログ 買取日記

2020/06/23

理工学関係の書籍を買取いたしました

 今回の買取は主に半導体関連の書籍でした。全体的に良いお値段をつけることができたのですが、特に良い査定額となった本を以下に紹介させていただきます。

「半導体デバイス―基礎理論とプロセス技術」
「Microwave Transistor Amplifiers: Analysis and Design」
「はじめての半導体プロセス (現場の即戦力)」
「CMOSモデリング技術―SPICE用コンパクトモデリングの理論と実践」
「半導体デバイスの物理」
「はじめてのアナログ電子回路 基本回路編 (KS理工学専門書)」
「高周波回路設計のためのSパラメータ詳解 (RFデザイン・シリーズ)」
「ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門」
「アナログCMOS集積回路の設計 応用編」
「半導体デバイスの信頼性技術」

 などなど。

その中でも特に気になった本はこちら。

「半導体デバイス―基礎理論とプロセス技術」(2004年)

です。

 こちらの本の著者はS.M.ジィー。以下は主にウィキペディア(英語)’’Simon Sze’’ページからの情報の参照になりますが、氏は1936年に南京で生まれ、その後台湾で育ちました。その後渡米しアメリカの大学を卒業しています。

 特に半導体物理、技術の分野において際立った仕事をしており、多くある著作のうちの「Physics of Semiconductor Devices」はこの分野の論文の中でも特に多く引用されているもののようです。(上の表の「半導体デバイスの物理」は岸野正剛氏著による別の本です。「Physics of~」の日本語訳は残念ながら見つけられませんでしたが、発行されているのでしょうか?)

 ズィー氏について特筆すべき点は「不揮発性メモリ」という、現在でも広く使われている電源を供給しなくても記憶を保持するメモリに使用されている「浮遊ゲートMOSFET」を発明したことでしょう。

 これらの仕事が評価され、1991年には電子デバイスの発展に科学的、経済的、社会的に大きな影響を与えた者に授与されるJ.J.EbersAwardを獲得しています。

 本書「半導体デバイス―基礎理論とプロセス技術」では、すでに高い評価を得ていたズィー氏の知識が惜しみなく披露されています。

 そして、実はこちらの本、第2版となっており、旧版から得た教訓を活かして全体の約50%を改訂しているというのですから、ユーザーにとって更に使いやすいものになっていることは間違いありません。例えば、重要な式には見やすいように全て囲みをつけているなど、とても親切です。

  本書の【まえがき】で本書は「半導体デバイスの基礎物理およびその最新技術の入門書。応用物理、電気・電子高額、材料科学先行の学部生を対象としている。また、新しいデバイスや技術開発の情報を知る必要がある現場の技術者や研究者の参考書としても利用できる」

 と書かれていますが、Amazon等のレビューでも、このような読み方をおすすめするコメントがたくさんありまして、まさに狙い通りですね。

 是非、この分野を学ばれている方、すでに開発に関わっている方などに活用していただきたい一冊です。

 今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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