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スタッフブログ 買取日記

2020/07/21

洋書(法学・経済学・ファッション史等)の買取

今回の買取はすべて洋書でした。内容は経済学や法学やファッション史、万葉集に関するものなどバラエティに富んだものでした。以下に中でも特に良い査定額をおつけできた本をご紹介します。

「Law, Legislation and Liberty: The Political Order of a Free People v. 3: A New Statement of the Liberal Principles of Justice and Political Economy」
「Manyoshu: One Thousand Poems」
「London hub of the Industrial Revolution」
「Lectures on Jurisprudence (The Glasgow Edition of the Works and Correspondence of Adam Smith)」
「Economics As a Coordination Problem: The Contributions of Friedrich A. Hayek/Studies in Economic Theory」
「The New International Economic Order: The North-South Debate」
「Oxford Essays in Jurisprudence (Second Series)」
「Public International Law of Money」
「20000 Years of Fashion」

などなど。

リスト上から2番目の「Manyoshu: One Thousand Poems」が万葉集についての本ですね。あれ?万葉集って4500首以上和歌が収録されてるよね?と思ったら、そのうちの1000首を抜粋、英訳しています。ちょっとゆっくり眺めてみたい一品ですね。

他にも「Lectures on Jurisprudence…」はアダム・スミスの「法学講義」の原著ですし、「 Economics As a Coordination Problem…」ではハイエクの名前が見えたりと、全体的にすごく気になる著作がたくさんありました。お値段はそこまで高く付けられなかったのですが、O.Henryのベスト・セレクションなどもお譲りいただきました。O.Henry良いですよね~。

さて、そんな気になる本が多かった今回の買取、中でも一際サイズ的にも目を惹くのが本日の一冊、

「20,000 Years of Fashion」1967年

です。

最初、2,000年かと思ったのですが、良く見てください、20,000、2万年です。

有史以前からの人類の服装について語っているのですから、この厚さ(440P超)も納得です。

そして、注目すべきは図版の多さ。1150の図(うち346がフルカラー)です。115じゃないですよ、1,150です(←しつこい)。

導入部は服飾そのものの歴史というよりも、考古学のお勉強というか、その土地にどんな人々が住んでいたか、その時代はどんな様子だったのかが説明されています。ファッションを身に着けていたのはそりゃ人間なのですから、その背景も分からないと、ということなのでしょうが、丁寧ですね。

メインとなる服飾の具体例の紹介部分ですが、ざっと見た感じだと、やはり西洋の服飾にページがかなり割かれています。その代わり、中世以降、絵画などで当時の服装などが分析しやすい時代に入ってからのものは、特に細かい部分についても説明が充実しています。それ以前の時代についての情報量の薄さについては少し残念ですが、先史時代では石像等の遺物で証拠が残っているものについてしか語り得ないですからね…。

また、東洋についてですが、この本における東洋とは、いわゆるオリエント地方までを指している感じです。オリエントについての服飾はむしろ、先史時代のアッシリアやペルシャの遺物を通しての説明に力が入れられています。東洋の端の国の出身者としてはいささか寂しいですが、獅子狩文錦(懐かしい!)など日本に届いた服飾の歴史の一部も紹介されていたりして、著者の取材力に驚かされるところもありました。

東洋だけでなく、南北アメリカについても載ってないので、このような丁寧さで、その他の地域のファッショについてもまとめたものが出ると、面白そうですね。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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