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2020/12/27

美術関連図書・図録などの買取

今回はアートに関する書籍を多数買い取らせていただきました。その中でも特に良い査定額をお付けできたものを紹介させていただきます。

「De Stael Nicolas – L’exposition」
「はじめての精進料理: 基礎から学ぶ野菜の料理」
「裸婦ポーズ集―Let’sダ・ヴィンチ」
「裸婦の基本ポーズ (みみずく・アートシリーズ)」
「巨匠に教わる 絵画の技法 (リトルキュレーターシリーズ)」
「女―高塚省吾画集」
「ロスコ NBS-J (ニューベーシック・アート・シリーズ)」
「図録 FRANCIS BACON フランシス・ベーコン展 日本経済新聞社 2013年」
「図録 KIMURA 木村忠太展 魂の印象派 笠間日動美術館 2002年」
「図録 有元利夫展 花降る時の彼方に TOSIO ARIMOTO 2001年」
「図録 YuzoSAEKI 佐伯祐三展 没後80年記念 -パリで夭逝した天才画家の道- 2008年」
「没後20年 中村正義展 [図録]」

などなど。

上記リストのうち、後半は展覧会などの際に発行される図録になっております。こちらのブログでも何回か言及させていただいておりますが、このような図録には、いわゆるISBNコードという書籍に付される13桁、もしくは10桁の番号が振られていないことが多くあります。古書店によっては、こういったISBNコードがない書籍の買取を拒否することもあるようですが、当店においてはそのような品についても査定・買取させていただきますので、ご安心してお任せください。

毎回、買い取らせていただいたお品物の中から気になるものをピックアップさせていただいている本ブログですが、今回の一冊はこちら。

「図録 YuzoSAEKI 佐伯祐三展 没後80年記念 -パリで夭逝した天才画家の道- 2008年」

です。2008年から2009年にかけて、大阪市立美術館や高松市美術館ほかで開催された同展図録です。

佐伯祐三は1898年生まれ、1928年没の大阪出身の洋画家です。副題にあるように、パリにて30才という若さでこの世を去りましたが、2回の渡仏、パリでの生活の中で多くの作品を残しました。(ただし、戦災によって蒐集家のコレクションの多くが失われるなど、もう見ることのできない作品も多数あります。)

本展覧会はその没後80年を記念して開催されたもので、渡仏前の作品(第1章)、渡仏後にヴラマンクやユトリロから大きな影響を受けた作品(第2章)、一時帰国後の作品(第3章)、二度目のパリ暮らし中の作品(第4章)、晩年の作品(第5章)に分け、佐伯がその短い画家人生で遺した作品を紹介しています。

佐伯祐三というと、「第2章 ヴラマンクとの出会い」のチャプターで紹介されているような、フォビズム的な太い線、もしくは第4章の「燃え上がる情熱、パリ~第2次パリ時代~」の「郵便配達夫」や、「広告貼り」のような文字の入った看板の絵のイメージが強いと思われますが、それらの作品が生み出される前の第1章(凝視する自己・自画像の時代)の自画像群など意外性のある作品もあり、自身のスタイルを確立する前の画家の試行錯誤の跡も垣間見られます。

また、佐伯作品のみではなく、佐伯に影響を与えた画家(ヴラマンク、ユトリロ、里見勝蔵など)や、佐伯が立ち上げに参加した芸術家グループ1930年協会のメンバー(前田寛治、小島善太郎、木下孝則など)、佐伯が影響を与えた画家(荻須高徳、大橋了介など)の作品も一緒に掲載。巻末の学芸員による「佐伯祐三に関するニ、三の断章」や「関連作家解説」と合わせて読むと、パリで若くして散った夭折の画家の、日本洋画家史における位置づけや重要さが浮かび上がり、より興味深く鑑賞できるのではないでしょうか。

そういえば、図録の絵を眺めつつ、2003年にリリースされたイギリスのロックバンド、レディオ・ヘッドのアルバム「hail to the thief」のジャケット・アートワークが佐伯の「広告貼り」(本図録P131)や「広告塔」(同P137)のイメージと重なったのですが・・・。いや、こちらのアート・ワークを手掛けたスタンリー・ドンウッドが佐伯の影響を受けているなどの記事を見つけることは出来ませんし、実際に全然関係はないのだと思いますが、2000年以降、現在に至るまでも佐伯イズムを継承しているアーティストは意外と多いのかも知れないな、なんて感じました。

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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