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2022/06/30

クラシックCDの買取と「キリル・ペトレンコ・ファースト・エディション / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 」2020年、King International

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今回は、クラシックCDを多数買い取らせていただきました。以下に特に良い査定額をお付けできたものをご紹介いたします。

 

「戦中のフルトヴェングラー ( Wilhelm Furtwangler : Live Performance 1942-1945) [6CD] [日本語帯・解説付]」

「伝説のコンサート1949-54 (ターラ編) / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 [CD] [国内プレス] [日本語帯解説付]」

「グルック : 歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》全曲 / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団(1951年ライヴ) ) [2CD] [国内プレス] [日本語帯・解説付き] [歌詞対訳付き] [Live]」

「ベートーヴェン&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(SHM-CD)」

「シベリウス:交響曲全集」

「SPからの復刻による メンゲルベルク/チャイコフスキー」

 などなど。

 当店では、クラシックを中心に、CDの買取も致します。聞かなくなったCD、書籍等ございましたら、ぜひ当店をご利用ください。

 さて、今回ご紹介するCDはこちら

「キリル・ペトレンコ・ファースト・エディション/ベートーヴェン、チャイコフスキー、シュミット、シュテファン/ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」[5CD+2Blu-ray]  [日本語帯・解説付]

※タイトルには少し長いので省略しましたが、おおよそ上記のようなタイトルで各種小売先から販売中です。なお、今回お譲りいただいたのは後述もいたしますが輸入盤です。※

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」・・・私が思い出すのはカラヤン。そして買ってもらったCDカラヤンを聴きながら勉強をしていたような、居眠りをしていたような記憶が、、、。そして、カラヤンは長期にわたり指揮者として君臨していたような記憶があります。今回ご紹介するCDに収録されているうちの1曲にベートーヴェン作、交響曲第9番「合唱付き」いわゆる「第九」があります。「第九」といえば年末と感じる方も多いのではないでしょうか?ここ数年は「第九」が年末に演奏されているのを見かけませんね。さみしい限りです。ベルリンフィルの日本公演もキャンセルが続いているようですが、コロナも落ち着いてきた今年の年末はそろそろ聞こえてくるかもしれません。

 ちなみに、いわゆる「オーケストラ」と呼ばれる楽団には「交響楽団」、「管弦楽団」と微妙に違う呼び名が存在しますが、ジャンルや楽器編成は変わらないそうです。

 そして、オーケストラといえば「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」(いわゆるベルリンフィルですね)や、「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」(以下ウィーンフィル)、「NHK交響楽団」などなどありますがどこが一番上手なのだろう?やっぱりクラシックといえばヨーロッパ。音楽の都ウィーンかな?などと皆さん考えたことはありませんか?しかしながら、音楽には好みもあるので独断で優劣をつけることには抵抗があります、、、。

 ということで、上手下手という観点からではなく、他楽団とベルリンフィルの違いに注目しながら比較し、まとめてみたいと思います。

 その前にベルリン・フィルについての基本情報です。ベルリン・フィルは1882年に設立されており、随分と長い歴史があります。ちなみに日本でいうと明治15年です。想像すると随分と文化が違いますね。

いよいよ本題のベルリン・フィルをベルリン・フィルたらしめている他楽団との違いについて触れていきます。

 第一に、指揮者についての違いがあります。ベルリンフィルは一人の指揮者がオケの顔となっています。それに対しウィーンフィルは常任の指揮者を置いておらず、NHK交響楽団は「名誉音楽監督」「桂冠指揮者」「正指揮者」などなど総勢8名も名を連ねているそうです。なんだか日本人らしい(笑)。私が若かりし頃、ベルリンフィル=カラヤンと紐づいていたのも納得ができます。ちなみにカラヤンは1955年-1989年まで35年もの間ベルリンフィルの終身指揮者・芸術監督に君臨していました。

  第二に、スタープレイヤーの存在です。しかし、それだけでは他の楽団にもいるでしょ?って思いますよね。しかし、ベルリン・フィルの場合はそれだけではないのです。組織的自主性集団なのです。というのも、なんと人事を団員が投票で決めているのです。例えば芸術監督を選ぶという場面を野球に置き変えると、読売巨人軍の監督を選手が決めるみたいな感じです。日本ではとても難しそうな話ですが、なんだか楽しそうですね。また、新しい団員を採用する際もオケ全員が投票権を持ち、合格したのちの2年間は試用期間であり、試用期間で不合格になる奏者はざらにいます。そのためオケとしての芸術的な方向性を決める場面でも団員の意見が反映されています。これが他楽団と違いベルリンフィルの強みであり、高い地位と水準を保つことのできる理由といえそうです。

 第三に、個性が強い。私にも音楽家の知り合いがいますが個性が強い!身近な者は大変と常日頃感じていますが、ベルリンフィルの団員はその比ではないでしょう(私の勝手な想像です)。オーケストラとは通常揃って演奏するという使命があるわけですから、前方の奏者に後方の奏者が合わせるといった序列が必要になります。しかしベルリンフィルの団員はここで個性を出します。「後ろの奏者が前の奏者を追い越さんばかりに積極的に音楽に食らいつく。」とあります。そのような演奏から音の厚みと推進力が生まれます。

こんな感じで、ベルリンフィルという楽団は他と一線を画していると言えそうです。同じ楽団とはいえ、楽団ごとの文化的背景などもその音に反映されるので、聞き比べてみるのも面白そうですね。

直接演奏とは関係ないかもしれませんが、子供たちを対象としたワークショップなどを開催したり、ユニセフ親善大使に任命されたりと社会活動に積極的に取り組んでおり、次世代教育にも力を入れているようです。他には「デジタル・コンサートホール」など新しい形のメディアの活用も積極的に行っています。これは世界に類を見ないウェブサービスだそうです。コンサートの3D映像を映画館で上映という試みにも挑戦しています。伝統としきたりにとらわれない姿勢が世界最高峰といわれる彼らのプライドを感じます。

 どうですか?そろそろベルリンフィルを聴きたくなってきたでしょうか?

私は団員と指揮者の技量で演奏の良し悪しが決まるのだろうと単純に思っていましたが、奥が深いですね。歴史、指揮者、団員、楽曲どれを調べても面白い話がてんこ盛りに出てきます。皆様もぜひ調べてみてください。もっとクラシックを楽しめると思います。

  さて最後に商品の説明に移りたいと思います。

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」と新首席指揮者キリル・ペトレンコによる初めてのボックスセットとなります。CD5枚+Blu-ray2枚入の2020年発売輸入盤です。

CDの楽しみの一つにパッケージのデザインがありますね。(個人的意見ですが)表紙の写真はドイツのコンセプチュアル・アーティストのローズマリー・トロッケルの作品です。なかなか落ち着いていて、おしゃれですね。ボックスについているブックレットの中にも作品の写真が掲載されています。

そして肝心な内容ですが、

  • CD1 ベートーヴェン: 交響曲第7番  収録: 2018824
    CD2 ベートーヴェン: 交響曲第9番「合唱」収録: 2019823
    CD3 チャイコフスキー: 交響曲第5番 収録: 201939
    CD4 チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」収録: 2017323
    CD5 1. フランツ・シュミット: 交響曲第4番 収録: 2018413
  • CD2ルーディ・シュテファン: 1 楽章の管弦楽のための音楽 収録: 20121221
  • Blu-ray1 ベートーヴェン: 交響曲第7番 ベートーヴェン: 交響曲第9
          シュミット: 交響曲第4
  • Blu-ray2 チャイコフスキー: 交響曲第5
          チャイコフスキー: 交響曲第6
          シュテファン: 1楽章の管弦楽のための音楽
          ボーナス映像: キリル・ペトレンコによる談話

    です。

    キリル・ペトレンコについてもいろいろ説明を加えたいところですが、長くなりそうなので詳細は皆さまにお任せいたします。

    ・・・でも、ちょっと書きたい。

    彼について少しだけ触れると、2015年にベルリンフィルの次期首席指揮者・芸術監督に選出され、2019年に就任する契約にサインをしています。ベルリンフィルとたった3回の共演で首席指揮者に選ばれたという天才です。

     

    名曲ぞろいですが、フランツ・シュミット、ルーディ・シュテファンについてはキリル・ペトレンコの特別な思いがあるようです。そして「チャイコフスキーの交響曲第6番は、私が首席指揮者に選ばれた後に、最初に共演した際に演奏されました。お互いに非常に神経を高ぶらせ、多大な緊迫感のもとに上演しましたが、個の録音にもその雰囲気が表れていると思います。今日に至るまで止むことのない、エネルギーの源です。」と語っています。この辺は付属のブックレット、Blu-rayで見ることができます。なりたてほやほやのキリル・ペトレンコ指揮による演奏ということで意気込みの感じられる大変貴重なCDです。

    また、Blu-rayには全曲の音楽トラックが収録されています。ボーナス映像として、キリル・ペトレンコによる談話が収録されています。ペトレンコによって楽曲の説明がされたりしています。作品への飽くなき探求心、堂々たるリーダーシップ、謙虚な人柄が伝わってきます。感涙。とても素晴らしい作品です。機会がありましたら、皆様ぜひベルリンフィル、キリル・ペトレンコの共同作業をお楽しみください。

     

    今回も良いCDを多数お譲りいただきありがとうございました。

     

    スタッフT

     

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