2025/01/24
西南戦争絵 【3枚続20組 262,500円】
買取日記ジャンル
今回は楊洲周延を中心にまとめて60枚の錦絵・木版画を買い取りさせていただきました。
(左上)楊洲周延「征韓論之図」
(右上)楊洲周延「日向延岡城激戦図」
(左下)楊洲周延「鹿児島戦争記」
(右下)楊洲周延「日向 佐土原落城之図」
西南戦争について
西南戦争は、1877年(明治10年)に起きた、薩摩藩(江戸時代に現在の鹿児島県を中心とした地域を治めていた藩です)を中心とした士族(江戸時代の武士)による明治政府への反乱です。明治維新の立役者の一人である西郷隆盛が中心となり、九州を舞台に政府軍との激しい戦いが繰り広げられました。
明治維新によって武士は士族という身分になり、新しい時代に対応することを求められました。しかし、多くの士族は、これまでの生活や価値観を守りたかったり、新しい社会に適応できないまま、貧困に苦しんでいました。そこで、明治政府の方針に疑問を抱いた士族たちが西郷隆盛のもとに集まり、やがて反乱へと発展しました。
九州を舞台に繰り広げられた激しい戦いは、人々の生活を大きく変えました。この動乱は、当時の浮世絵にも鮮やかに描かれています。浮世絵は、新聞やテレビのように、人々に最新の情報を伝える役割を果たしていたのです。つまり、浮世絵は単に娯楽だけだはなく、貴重な資料でもあるのです。
浮世絵師「楊洲周延」について
楊洲周延(ようしゅう ちかのぶ)は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。美人画に特に優れ、明治という激動の時代を生き抜き、その様相を浮世絵に描き残しました。
明治維新や西南戦争といった歴史的な出来事は、浮世絵師にとっては大衆に伝える絶好の機会でした。
楊洲周延が描いた作品は、貴重な歴史資料として現在も高い評価を受けています。
西南戦争の絵でよく見かける「西郷隆盛」
西郷隆盛は、幕末から明治にかけて活躍した日本の政治家、軍人で、明治維新を成し遂げた中心人物の一人です。彼の生涯は、激動の時代を生き抜いた一人の男として、当時の人々に大きな影響を与えました。
西郷隆盛は最後まで抗い続けました。しかし、政府軍に追い詰められ、彼は自決を決意しました。彼の死は、西南戦争に終止符を打つこととなりました。
西南戦争で最後まで抗い続け命を絶った西郷隆盛の姿は、そのまま新政府での高位に甘んじることなく武士道精神を貫いた英雄として人々に感動を与え、特に庶民の心には「最後の侍」としての像が深く刻まれていきました。
まさに浮世絵の題材として格好の素材だったのですね。
今回の買取について
今回は数多くの浮世絵を譲って頂きました。鑑賞用だけではなく、歴史の貴重な資料でもあります。
また、状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、60枚(3枚続20組)全体で262,500円とさせていただきました。
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スタッフJ