2026/03/20
勝川春亭 木版画浮世絵 【5点53,400円】
買取日記ジャンル
今回は勝川春亭(かつかわ しゅんてい)の木版画浮世絵を中心にまとめて5点53,400円で買取させていただきました。
春亭(明和7年〈1770〉―文政3年〈1820〉頃とされる)は江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。
今回は、春亭の謎に満ちた人物像について触れながら、実際に買取させていただいた作品もあわせてご紹介できればと思います。
目次
春亭について
春亭は「武者絵の国芳」として知られる歌川国芳に影響を与えたとされる人物でありながら、その実像は驚くほど謎に包まれています。
実際に作品に触れる機会も紹介されることも極めて少ないため、春亭に関する情報は非常に限られており、具体的にその生涯を辿ることは容易ではありません。いつ生まれ、いつ世を去ったのか、正確な記録は残っていないのです。また、春亭の墓所は浅草菊谷橋の日蓮宗・本立寺と記されていますが、本立寺は現存しておらず、墓所の確認もできていません。
春亭は勝川春英の門下に入り、勝川家の一員として活動しました。その画域は広く、多彩な才能を発揮しています。相撲絵、風景画、役者絵など多岐にわたる作品を残しましたが、特に有名なのが「武者絵」です。
春亭を語る上で最も興味深いのが、のちに武者絵で名を挙げた国芳との関係です。一説には、国芳は初代歌川豊国の門人になる前に、春亭の門下に入っていたのではないか、という推測があります。その根拠は、国芳の初期の武者絵が春亭の作風に驚くほど似ているためです。
幕末から明治にかけて活躍した絵師・豊原国周は「国芳ははじめ春亭の門人だった」と語っています。ただし、国周が生きた時代とはかなり開きがあるため、これが事実かどうかは定かではありません。それでも、春亭の武者絵があってこその「武者絵の国芳」とも言われています。
買取作品のご紹介
富士御狩之図
鎌倉時代に行われたとされる「源頼朝の富士の巻狩(まきがり:獲物を追い詰めて射止める大規模な狩猟)」の場面を描いた3枚続です。
左には巨大な猪を狩る仁田忠常(四郎)、中央には富士山を背景に激しい戦いを繰り広げる和田胤長(平太)、そして右には源頼朝と武将たちが配されています。非常に動きのある、ドラマチックな構図になっています。
源頼光
源頼光(948–1021)は平安時代の武将で、日本の伝説や軍記物語に登場する「鬼退治の英雄」として知られています。本作では、頼光の背後に巨大な鬼の顔が描かれており、迫力ある鬼退治の場面を表現しています。
千田川吉蔵 荒馬大五郎 天秤梅五郎
土俵入りのポーズで立つ力士の全身像を描いた作品で、左から「千田川吉蔵」「荒馬大五郎」「天秤梅五郎」と読むことができます。
以前の買取日記でもご紹介した通り、当時の相撲ファンにとって、こうした肖像画は現代のブロマイドのような存在であったと考えられます。
今回の買取について
状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、5点53,400円とさせていただきました。
下表は今回の買取品とその査定額の一覧です。似たジャンルの版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。
| 絵師 | 作品名 | 買取価格 |
| 勝川春亭 | 富士御狩之図 3枚続 | 20,500円 |
| 勝川春亭 | 源頼光 | 12,400円 |
| 勝川春亭 | 相撲絵 3枚 | 20,500円 |
スタッフJ
【参考文献】
岩切友里子「勝川春亭考」『浮世絵芸術』第120巻、国際浮世絵学会、1996年
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