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2026/08/21

貞秀 俯瞰図ほか【5点64,000円】

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今回は歌川貞秀(うたがわ さだひで)の木版画浮世絵を中心にまとめて5点64,000円で買取させていただきました。

貞秀(文化4年〈1807年〉- 明治12年頃〈1879年〉)といえば、「横浜絵」や書籍の挿絵、そして何より鳥のように上空から見下ろす「俯瞰図(ふかんず)」で知られています。

貞秀の人物像や魅力に触れつつ、実際に買取させていただいた作品をご紹介いたします。

歌川貞秀について

初代・歌川国貞に入門し、わずか14歳で絵師としてデビューを果たした浮世絵師です。

国貞が法性寺に建てた「初代歌川豊国」の記念碑(豊国先生瘞筆之碑)には、裏面に門人たちの名前が刻まれています。
その「国貞社中」の欄に刻まれた11名の弟子のうち、当時22歳だった貞秀の名は4番目にありました。この順番からも、彼が若くして確かな才能と実力を認められていたことが伺えます。
ちなみに、この石碑は関東大震災で大きく損壊し、現在は法性寺にその一部が残るのみとなっています。

貞秀の代表作スタイルともいえるのが、上空から地上を見下ろす「俯瞰図」です。
当然ながら、当時は飛行機もドローンもない時代。貞秀が実際に空を飛んで写生したわけではありません。地理知識と想像力を駆使し、現実にはあり得ない視点から鳥瞰し、都市の構造や人々の営みを驚くほどリアルに再構成してみせました。

幕末、開港したばかりの横浜へ実際に足を運び、新時代の風景や異国情緒あふれる人々を描いた「横浜絵」を100点以上残しました。
作品は1875年(明治8年)頃まで確認されていますが、その後の消息は分かっていません。

買取作品のご紹介

貞秀『横浜本町景港崎街新廓』1860年

開港後の横浜の街並みを描いた横浜絵の一作です。
本作の題名にある「本町」は開港後の横浜の中心市街地の一つで、「港崎街新廓」は港崎町に設けられた新しい遊廓を指します。港崎遊廓は開港に伴って成立した横浜の新しい都市文化を象徴する場所の一つでした。
貞秀が得意とした俯瞰図での都市描写によって、街路、建物、人々の往来など、新興都市・横浜の活気が表現されています。

 


貞秀『横浜鉄橋之図』1870年

こちらの作品は本来6枚続きですが、今回は不揃いの3枚を買取させていただきました。
本作で注目される「鉄橋」は、近代化を象徴する建造物です。伝統的な江戸の風景とは異なる新しい橋と、その周辺を行き交う人々や街並みを描くことで、西洋文化を取り入れながら変貌していく横浜の姿を伝えています。

今回の買取について

状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、5点64,000円とさせていただきました。
下表は今回の買取品とその査定額の一覧です。似たジャンルの版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。

絵師 作品名 買取価格
歌川貞秀 横浜本町景港崎街新廓 10,000円
歌川貞秀 元暦元年二月一の谷⋯ 20,500円
歌川貞秀 東都浅草東本願寺之図 10,000円
歌川貞秀 源公大井川行列之図 9,000円
歌川貞秀 横浜鉄橋之図 14,500円

スタッフJ

【参考文献】

刀剣ワールド/浮世絵「浮世絵師「歌川貞秀」の生涯」https://www.touken-world-ukiyoe.jp/ukiyoe-artist/utagawa-sadahide/(2026年08月11日参照)

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