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2020/10/02

美学関連書籍の買取

今回は美術・美学に関連した本を買い取らせていただきました。以下に特に良い査定額をお付けできたものを紹介させていただきます。

「Albinus on Anatomy (Dover Anatomy for Artists」
「セザンヌから学ぶ絵画テクニック (巨匠から学ぶ実践シリーズ)」
「ジャンルー・シーフ写真集 (Parco vision contemporary)」
「デボラ・ターバヴィル「過去を恋する女たち」」
「抽象美術入門」
「基準課程 図学」
「Bride Stripped Bare by Her Bachelors, Even」
「FMステーション イラストレイテッド 鈴木英人 表紙作品集 ダイヤモンド社+鈴木英人 昭和59年」
「お茶の間 コミック 全3巻完結セット (お茶の間 )」

などなど。

今回、この中でも特に気になった一冊がこちら

「Bride Stripped Bare by Her Bachelors, Even」(1976)です。

 

「Bride Stripped Bare by Her Bachelors,Even」これ、すごく変わったタイトルだと思いませんか?直訳すると、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」となります。ですが、これ、この直訳のまま、”ある芸術家”の作品名の和訳として知られております。ただ、長いので、作品に使われている材料から、通称「大ガラス」と呼ばれているのですが…非常に印象的な題名です。ちなみに、パッと作品を見ただけでは、どこに裸の花嫁がいるのか、独身者がいるのか、全然分かりません。

”ある芸術家”とはマルセル・デュシャンのこと。ニューヨーク・ダダイズムの代表的作家として有名で、こちらの「彼女の~」という作品は、彼の作品の多くを所蔵しているアメリカ、ペンシルバニアのフィラデルフィア美術館に展示されています。

こちらの本は、そのデュシャン本人が書いた…わけではなく、リチャード・ハミルトンというロンドン出身の芸術家が書いた本です。

ハミルトンは1922年生まれ、2011年没。1960年代のアメリカン・ポップアートに大きな影響を与えた人物です。彼の代表作としては「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」などがあります。長ったらしいタイトルを付けること以外にも共通点があったのか、ハミルトン、作品に既成品を利用したレディ・メイド(作品名としては「泉」が有名)で知られるマルセル・デュシャンに非常に強い関心をもっておりまして、1965年にはデュシャン自身の指導の元で、既述「大ガラス」のレプリカ制作を行ったりしています。この本は、どうやらこのレプリカ作成に際して作成されたメモや、作品アイディアの図を書き留めたものをまとめたもののようです。(…「ようです」というのは、こちらの本自体にどういう本なのかの説明が一切ないため、確信が持てないのです。)

こちらの「大ガラス」、デュシャン自身は制作にとりかかったはいいものの、途中でほぼほぼ制作を放棄、チェスに夢中になってしまいます。制作時期もハミルトンがレプリカ作成をしたのが1960年代である一方で、デュシャン本人の作品は1915年から1923年にかけて制作されました。

なんていい加…いや、全ては言いますまい。

近年の研究では、彼を有名にした作品のいくつかは別の人が制作したものだと思われているとか言われてしまっていることもあり、ダダイズムの大家・デュシャンの威光も陰って見えてきました…。

そんなわけで、制作を途中放棄されたことも手伝ってか、「大ガラス」は非常に解釈困難な作品とされています。じつは実物を見たことのある筆者でも「なんのこっちゃ」状態だった上、デュシャンの「遺作」と呼ばれる別の作品の方がよっぽど「裸の花嫁」らしき人物が見えるため、作品名を逆転して覚えてしまっていた有様だったのですが、ハミルトンによるレプリカ作成工程におけるメモや図示を通して、デュシャンがこの作品で表現しようとしたことが読み取れる!・・・とあったら、ちょっと気になりませんか?

ただし、こちらの本も、メモ書きは活字に直されているものの、まるで思いついたことの走り書きのような感じなので、読み解きには、ものすごい時間を要すると思われます…。

しかし、その難解なメモを解読し終わった瞬間、デュシャンが偉大な芸術家であったのか、はたまた、ただの「っぽい人」だったのかが明らかになるのなら、ロマンのある話です。

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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