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スタッフブログ 買取日記

2020/12/21

宗教(仏教)関連図書の多数買取

今回は仏教に関連する図書(仏像・写経など)を多数買取させていただきました。
その中でも特に良い査定額をお付けできたものを紹介させていただきます。

「木彫入門者のための研ぎの技法」
「仏像彫刻―鑑賞と彫り方」
「誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳」
「歎異抄をひらく」
「DVDできれいに書ける! 大判 美文字ペン字練習帳」
「図説写仏教室―あなた自身のみ仏に出会うための」
「教養のペン習字 江守賢治 1979年 大泉書店」
「図録 龍虎の世界 1986年 根津美術館」
「仏像彫刻の技法誌 光雲 3号/ 技法編 阿弥陀如来像 1984年 光雲彫刻研究所」
「羅什 (人物中国の仏教)」
「日本写経綜鑒 (1974年)」
「仏を描く截金を施す」
「改訂新版 書写書道四千字 現代字体字典 (辞典)」
「簡明 柔道整復術学 木村仁 著 昭和10年 玄南書房」

などなど。

写経に関連するものとして、ペン字練習用の書籍も多く含まれていました。
上記リスト中の「DVDできれいに書ける! 大判 美文字ペン字練習帳」はそんな書籍の中の1つですが、
こちらの書籍のようにDVDが付録として含まれているものに関しては、DVDが欠品してしまっていると当店では買取できなくなってしまいます。
DVDを別ケースに入れて別の場所に保管される方も多いと思いますが、売却の際には書籍と一緒にお送りいただきますとお値段がつけやすくなりますので、
参考にしてくださいね。

さて、毎回気になる一冊をピックアップしている本ブログですが、今回の気になる本はこちら

「歎異抄をひらく」(初版 2008年3月、1万年堂出版)
です。

初版は上記のように2008年ですが、今回お譲りいただいたのは2018年の49刷でした。49刷・・・すごいですね。

写真の書影の帯にて「映画化!」と銘打たれていますが、どうやらこれ、2019年にアニメ映画化をされていたようですね。し、知らなかった・・・。

そもそも、「歎異抄(たんにしょう。たんいしょうに非ず)」という書物についてですが、浄土真宗の宗祖である親鸞の後、宗祖の教えと異なること(以下、異義)を唱える者が多くいたことを嘆いた弟子が鎌倉時代に書いたものとされています。
それで「異(義)を歎く(なげく)」という題名なわけですね。この弟子が誰であったのかは諸説あるようですが、こちらの本では唯円説を採用しています。

「歎異抄」は鎌倉時代に書かれたものなのですが、その後、室町時代に浄土真宗の僧・蓮如が書写、その後いくつかの写本が存在したようですが、広く一般に知られるようになったのは明治以降でした。

本書いわく、その原因は「歎異抄に書かれていることは親鸞聖人の教えについて誤解を招く恐れのある部分も多く、蓮如により門外不出とされた」ことにあるようですが、近代になるまで注目されていなかった反動なのか、現在でも歎異抄に関する多くの著作が確認できます。試しにAmazonで「歎異抄」で検索すると、関連書籍の多さに驚きますよ。

そして、それらの中には歎異抄の解釈について解説したものが目立ち、それはそのまま、蓮如の懸念通り、その内容がいかようにも取りうるものだということを如実に物語っています。

本書においては、解釈の正しさを親鸞聖人の「教行信証」などを論拠に主張していますが、果たして今までの歎異抄解説とはどう違うのか。

本書を読む限りでは、「そうか、そういうことをいっているのか」という腑に落ちる感じ、納得する感じは得られたものの、既存の研究と比較検討するには、もっと私には勉強が必要なようです・・・苦笑。

 

ところで、本書の構成ですが、次のようになっています。

第一部:歎異抄の意訳
第二部:歎異抄解説
第三部:歎異抄 原文

そもそもの「歎異抄」自体はどのような構成になっているのかというと、第1章から第10章までが親鸞聖人の言葉、第11章以降18章までが邪説への批判、後序、親鸞流刑にまつわる記録

の順番となっており、本書の第一部の意訳はこの「歎異抄」の1から10章までに付されています(11章以降18章までは意訳ではなく、要約)。

第三部の原文では、歎異抄の全てが掲載されているのですが、その短さに驚かされます。本書著者の意訳・解説に納得のいかない方は三部の原文をお読みになって、ご自身で親鸞聖人の教えの真実に近づく挑戦をしてみるのも良いかも知れませんね。

また、本書の特徴ですが、大きな字で、オールカラー、とにかく見やすいです。意訳の部分が唯一正解のものなのかどうかは、ひとまず置いておくにしても、類書の中ではダントツで素人にとってはとっつきやすいため、これから仏教の勉強をしようとされている方にはぴったりだと思います。

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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