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2021/06/29

洋書(軍事・戦争・政治に関するもの)の買取 「Supplying War: Logistics From Wallenstein To Patton」

今回はすべて洋書の買取となりました。当店では洋書でも英語で書かれたものについては、積極的に買取を受け付けております!「洋書だからと買取を断られた・・・」そんな方は是非、当店にお譲りください。

さて、今回買い取らせていただ本、内容は古今東西における戦争や、軍事、それに関わる政治に関するものがほとんどでした。その中から特に良い査定額をお付けできたものを以下に挙げさせていただいます。

「The Fringes of Power: Downing Street Diaries 1939-1955」
「China’s Road to the Korean War: The Making of the Sino-American Confrontation (The U.S. and Pacific Asia – Studies in Social, Economic and Political interAction)」
「Supreme Command: Soldiers, Statesmen, and Leadership in Wartime」
「Crisis and Compensation」
「Supplying War: Logistics From Wallenstein To Patton」
「War and National Reinvention: Japan in the Great War, 1914-1919 (Harvard East Asian Monographs)」
「Useful Adversaries (PRINCETON STUDIES IN INTERNATIONAL HISTORY AND POLITICS)」
「Empires (Cornell Studies in Comparative History)」
「Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II」
「Theories of Political Economy」
「Japan’s Foreign Policy Since 1945」
「Silent Victory: The U.S. Submarine War Against Japan (Bluejacket Books)」
「James Joyce (Oxford Lives)」

などなど。

上記リストを見ると、第二次世界大戦に関するものが多そうですね。そんな本の中でも、戦後日本がいかにして軌跡の復興を遂げたのかを描く「Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II」はピュリッツァー賞を受賞しているので、ご存知の方も多いかも知れませんね。

ですが、今回特に気になった一冊はこちらです。


「Supplying War: Logistics From Wallenstein To Patton」(2004年、2nd edition)

「はじめに」にあたる「Preface」著者サインの後の日付が1976年になっているのですが、こちらは初版(First edition)が1977年に出版されているためです。それから30年近く経ってからこちらの2版が発表されたことになりますね。

こちらのタイトルに「Logistics(ロジスティクス)」という単語が認められることから、「物資供給網が戦争に与える影響について書かれた本なのかな~」という、なんとなくのイメージはできるのですが、合っているのでしょうか?そして、Wallenstein とPattonというのは何でしょうか?

まず、Logisticsの意味ですが、最近日本語でもカタカナに直されて、まさしく「物流」くらいの意味合いで使われる場面によく遭遇しますが、今回本記事を書くにあたり、実際にはもう少し広い意味を持った言葉だということを初めて知りました・・・。

曰く、ロジスティクスとは、経営学的には「生産地から消費点までの物流における最適化を目指す」もので、その手段としての「企業による物資の総合管理のための研究・手法・戦略システム」全体を含む概念なのだそうです。

そして、戦争におけるそれは物資(つまり、武器や人)の流れ、その流れを生むための組織の特徴(規模など)、道路や河川など運搬を支えるインフラや地理学的背景、戦術の展開に至るまで多岐に渡ります。

ちなみに、英語の辞書で「logistics」を引きますと、上記のような物流システム的意味のほかに「兵站」という意味がきちんと掲載されています。日本人読者にとっては、その「兵站」を下敷きに、既述の「ロジスティクス」のような広い意味での戦術的物流を重ね合わせたものをイメージすると分かりやすいでしょうか。

次にWallensteinとPattonの謎です。軍事研究書を好んで読まれる方には、改めての解説は不要なのかも知れませんが、Wallensteinとはヨーロッパで17世紀に起こった宗教戦争に端を発した国際戦争で活躍した傭兵隊長、アルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタインのことです。

そして、Pattonとは時代は飛んで20世紀の二度に渡る世界大戦、特に第二次世界大戦で活躍したアメリカ軍人パットン将軍を指します。

つまり、30年戦争辺りから近代の戦争に至るまでの戦時ロジスティクスについて書かれた本が本書ということになります。その中でも、メイン部分はここ200年間にヨーロッパで起こった戦争についての考察です(Preface参照)。

 

そういった「ロジスティクス」的なものは専門家が当然考えているものだろうと思いがちですが、案外そういった切り口で戦争史を語ったものは少なく、特に膨大な文献を元に考察を行った本書は貴重であると初版に対する書評(裏表紙)には書かれています。なるほど、確かに近代以前の戦争においてその物流がどうなっていたのかなど、想像もしたこともありません。私は本書導入部の16世紀末~17世紀はじめ頃のヨーロッパにおける各国の軍容を説明する箇所をさっと読みましたが、軍には兵士を食べさせるための食糧だけでなく、その妻・子供や奴隷、軍事商人など広い裾野があり、行軍中の軍隊には必需品を載せた馬車やら船やらが何千何百と随行していたという、イメージしていたのとは違う軍隊像が目の前に開けたのはかなり新鮮でした。

 

その道の研究者が読まれることを想定しているのか(あるいは、私の知識の浅薄さが原因か)、ヨーロッパ各地、各時代の戦役の固有名詞が前触れなくバンバン出てくるため、世界史をかじっていないと読みづらい一面はありますが、意外性のある切り口で歴史上の大事件を見てみたい方にはオススメの一冊だと思います。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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