2025/05/09
デザイン・音楽関連書籍の買取【128冊 25,557円】
買取日記ジャンル
今回は、デザインや音楽、言語学、美術史といった幅広い分野にわたる書籍を多数買取いたしました。
それぞれのジャンルで専門性の高い学術書から、ビジュアルや構成が魅力的なポップで親しみやすい書籍まで、内容は実に多彩です。中には、長年愛されてきた名著や、美術館・大学関係者が参考にするような資料価値の高い一冊も含まれており、読みごたえのあるラインナップとなっております。
この中から、特に目を引いた書籍やユニークな切り口を持ったものを、いくつかご紹介いたします。それぞれの魅力を、ほんの一部ではありますがご紹介できればと思います。どうぞご覧ください。
目次
ロゴザインができるまで
『ロゴデザイン研究―100の実例に学ぶ最適解を探し出すアプローチ―』
佐藤浩二 監修・著、2023年、エムディエヌコーポレーション
本書の巻頭には、顧客からの依頼を受けてから納品に至るまでの制作フローが掲載されており、デザイン業務の全体像を把握するのに役立ちます。
掲載されているロゴは、大企業のブランドロゴから地域の小さなイベントのロゴまで、多様な100点を収録。第一線で活躍する8名のグラフィックデザイナーが、それぞれのロゴについてどのようなプロセスで制作されたのかを解説しています。
見開きの左ページにはロゴのビジュアル、右ページには制作工程をまとめた「PROCESS」と、COSYDESIGN Inc.の佐藤浩二氏によるデザインの要点を解説した「FOCUS」が掲載されており、実務に役立つ構成となっています。
掲載事例の一つとして、Amazake Lab.のロゴをご紹介します。
「甘酒に対するイメージを変える」「現代人のスタイルに合わせた甘酒を提案する」というコンセプトのもとに制作されたこのロゴは、「甘酒の研究所」というネーミングから、「甘」という文字を三角フラスコに見立てたスタイリッシュなデザインが特徴です。
フラスコの中には、米を思わせるモチーフがあしらわれており、細部にも工夫が凝らされています。当初は「羊」をモチーフにした別案も存在していましたが、修正を重ねた結果、現在のロゴに決定されたとのことです。
デザインを引き立たせる文字たち
『アレンジ・オリジナル・組み方で差がつく! タイトル文字のデザイン』
パイ インターナショナル 編・著、2020年、パイ インターナショナル
本書は、ポスターや商品パッケージ、小説のカバーに使用された文字デザインをテーマにした、視覚的にも充実したビジュアルカタログです。
広告や出版、パッケージなど多岐にわたるジャンルの中から、文字によって印象やメッセージ性を高めている優れたデザイン事例を330点以上収録しています。
掲載作品は、「フォルムに特徴のある文字」や「写真やイラストと組み合わせた文字」など、6つの視点から丁寧に分類されており、ジャンルやテイストごとに多彩な表現技法を一望できる構成となっています。
個々のデザインがどのような意図や工夫によって生み出されたのか、視覚的要素の違いを比較しながら読み進めることができるのも魅力です。
巻頭では、ロゴデザイン研究に取材・デザイン提供として携わった野村勝久氏が主宰する野村デザイン研究室が特集されており、長年にわたって蓄積された知見をもとに、文字タイトル制作術の極意を紹介しています。加えて、研究室が手がけたポスターの事例を通して、構図や配色、文字とのバランスなど、実際のデザインプロセスに迫る内容も掲載されており、理論と実践の両面から学ぶことができます。
各ページは、上部に完成作品を、下部にその中で特に注目すべき文字要素を抜き出して詳しく解説する構成となっており、視覚的にも理解しやすい誌面設計がなされています。また、巻末および各ページの下部には、作品を手がけた制作者やデザイン会社の情報も明記されており、関心を持ったデザイナーの他の作品をたどる際の参考資料としても活用できます。
インスピレーションを得たいときはもちろん、実務でのデザインアイデアの引き出しとしても役立つ、実用性と観賞性を兼ね備えた一冊です。
奥深きタイポグラフィの世界
『タイポグラフィで魅せる 広告デザイン』
パイ インターナショナル 編・著、2022年、パイ インターナショナル
本書は、広告デザインにおけるタイポグラフィの創造的な可能性と、その表現力の奥深さに迫る一冊です。
タイポグラフィは単に情報を伝えるための手段ではなく、視覚的インパクトを生み出し、広告のメッセージを強く印象づけるための重要な要素であることを、本書は豊富な事例を通じて提示しています。
本書には、近年制作された広告デザインの中から厳選された300点以上の作品が掲載されており、現代の広告においてタイポグラフィがどのように機能しているかを具体的に見ることができます。
紹介されている事例は、10の異なるデザインテイストに分類されており、それぞれのジャンルごとに文字の造形や配置、余白の使い方、ビジュアルとの関係性など、細部にわたって工夫が凝らされています。
特に注目すべきは、視覚的に強い印象を残すタイポグラフィ表現の数々です。従来の枠にとらわれない斬新なアプローチや、文字自体をグラフィック要素として扱う大胆なデザインは、見る者の想像力を刺激し、広告としての効果を最大限に高めています。
単なるフォントの選定にとどまらず、コンセプトに基づいた造形の工夫や、加工、合成による質感表現など、文字を主体に据えた広告の可能性が存分に紹介されています。また、本書は単なる作品集ではなく、タイポグラフィを活用した広告デザインのアイデアソースとしても非常に有用です。
現場で活躍するデザイナーや広告プランナーにとって、実際の制作に取り入れられるヒントやインスピレーションが随所に散りばめられており、実務にも直結する内容となっています。
タイポグラフィによって広告に新たな価値を与えたいと考えるすべてのクリエイターにとって、手元に置いておきたい一冊です。
今回の高額買取商品一覧
下は今回の買取品のうち、500円以上の買取額をお付けできたものをリスト化した表です。
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(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます。上記は2025.3.14時点の金額です。)
今回も良書をたくさんお売りいただき、誠にありがとうございました!
スタッフE
※下の画像の書籍は送っていただいた本のほんの一部です。