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2025/04/18

日清戦争絵【10組 96,700円】

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今回は日清戦争絵を中心にまとめて三枚続10組を買い取りさせていただきました。

日清戦争について

日清戦争(1894年~1895年)は、日本と清(現在の中国)の間で繰り広げられた戦争であり、特に朝鮮半島を巡る勢力争いでした。日本は、朝鮮半島の近代化と独立を支持して、朝鮮が日本の勢力圏に入ることを望んでいました。それに対し、清は朝鮮を自国の「属国」として維持しようとして、朝鮮半島における日本の影響力拡大を脅威と感じていました。

そんな中、朝鮮国内で農民による反乱が勃発、この鎮圧を口実に出兵した日本はその後王宮を軍事制圧、新日政権を樹立しました。このことが直接的な引き金となり戦争が始まりました。戦闘の中心となったのは、遼東半島や黄海での激しい海戦です。日本軍は短期間で清の軍を圧倒し、戦局を有利に進めました。最終的に戦争は日本の勝利に終わり、これにより日本は朝鮮半島に対する影響力を大きく強化することができました。

以前のブログでお伝えしたように、浮世絵は人気のあるメディアであり、戦争の出来事を広く伝え庶民の関心を引き、時代の出来事を記録する手段として非常に効果的であったため数多く日清戦争に関する浮世絵が描かれました。

今回買い取った浮世絵の中から筆者が特に紹介したいのは、次の三枚続です。

歌川国政「黄海附近海軍大激戦」

歌川国政「黄海附近海軍大激戦」

解説

正面に見える最も大きな軍艦は、日本海軍の吉野号です。浮世絵には「帝国軍艦吉野号」(大日本帝国海軍:1871年~1945年まで日本に存在していた海軍)と記されています。吉野号は全長約109.7メートル、幅約14メートルの艦船で、日清戦争で活躍した後、日露戦争では味方艦「春日」と衝突し沈没しました。この浮世絵では、吉野号が隣にある「支那軍艦定遠号」(清国海軍の戦艦)に攻撃を繰り返している場面が描かれています。

左側に見える小型船「水雷艇小鷹(コタカ)」は、日清戦争で清国の軍艦「来遠」(浮世絵右下に描かれている「支那軍艦来遠号」)や「威遠」(右上に描かれている「支那軍艦威遠号」)、および「宝筏」を撃沈した戦功を挙げました。

清国の軍艦3隻はすべて撃破され、日本の勝利が目前であることが伝わってくる絵です。

黄海海戦について

清の海軍を無力化することを目的として、日本は黄海での戦闘を避けずに挑みました。清国海軍の主力である北洋艦隊と、日本の連合艦隊が対峙する形となりました。
日本海軍は、戦闘の際に非常に慎重かつ効果的な戦術を採りました。最先端の戦艦を中心に編成し、清国艦隊に対して機動力を活かして攻撃を行いました。
清国海軍は日本艦隊に比べて戦艦の数が少なく、また近代的な艦船が不足していました。
日本の艦隊は清国艦隊の艦船を次々に沈め、北洋艦隊を無力化して、決定的な勝利を収めました。
この勝利によって日本は海上優位を確立し、その後の戦闘でも有利な立場を維持することができました。黄海海戦の勝利が日清戦争を日本の勝利に導く大きな要因となりました。
黄海海戦を描いた浮世絵は数多く残されており、どれも迫力があり、非常に格好良く、また興味深い作品ばかりです。これらの絵は単なる鑑賞用にとどまらず、歴史的にも貴重な資料としての価値を持っています。

今回の買取について

今回は数多くの浮世絵を譲って頂きました。
状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、三枚続10組を96,700円とさせていただきました。
下表は今回、買取額をつけさせていただいた版画の一覧です。似たジャンルの版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。

絵師 タイトル 買取金額
尾形月耕 鎮遠縦覧之図 7,250
尾形月耕 牛荘市街激戦之図 7,250
歌川国政 黄海附近海軍大激戦 13,810
長谷川竹葉 西京丸黄海大勝利 10,100
尾形月耕 大寺将軍揮全力襲撃百尺崖之図 8,850
小林清親 牙山激戦安城渡進撃之図 12,100
不詳 大日本清国海軍大戦争 9,050
小林清親 雪ヲ冒シテ我軍威海衛之堅塁ヲ抜ク図 7,550
小林清親 牙山激戦安城渡進撃之図 10,370
小林清親 威海衛鹿角嘴砲台攻撃之図 10,370

スタッフJ


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