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スタッフブログ 買取日記

2020/06/26

文学や音楽、哲学など様々なジャンルの書籍を買い取りました

今回の買取では、文学や音楽、哲学などいろいろな分野の書籍をお譲りいただきました。

以下に特に良い査定額をおつけできた本を挙げます。

「初期キリスト教とローマ社会」
「The Conflict of Interpretations (Studies in Phenomenology And Existenial Philosophy)」
「岩石物性入門」
「図解 CO2貯留テクノロジー」
「契約・法律用語英和辞典」
「復刻 100万人の金属学 基礎編」
「Dictionary of Ecclesiastical Latin: With an Appendix of Latin Expressions Defined and Clarified」
「A History of Christian Thought: Volume 3: From the Protestant Reformation to the Twentieth Century (Revised Edition)」
「A History of Christian Thought: Volume 2: From Augustine to the Eve of the Reformation (Revised Edition)」
「A History of Christian Thought: Volume 1: From the Beginnings to the Council of Chalcedon (Revised Edition)」
「混声合唱とピアノのための この星の上で (1234)」
「ユーロ・ロック・プレスVol.85」
「ユーロ・ロック・プレス Vol.84 ビック・ビック・トレイン/スティーヴ・ハケット/エンジェル/」
「超火山「槍・穂高」―地質探偵ハラヤマ/北アルプス誕生の謎を解く」
「スコットランドの歴史と文化」
「小説的思考のススメ: 「気になる部分」だらけの日本文学」
「ベートーベンソナタアルバム (2) 全音ピアノライブラリー」
「富士山はなぜそこにあるのか」
「オフサイドはなぜ反則か (三省堂選書 119)」

 などなど。

 ご覧になるとおわかり頂けるように、洋書も多く含まれておりました。当店では英語で書かれた洋書の買取にも力を入れておりますので、他店にて買取が難しいと言われた方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください。

さて、今回の気になる一冊もそんな洋書の中のうちの一冊

「The Conflict of Interpretations(Studies in Phenomenology And Existenial Philosophy)」

 です。こちらは、2007年にアメリカで出版されたものですが、原著は「Le Conflit des interprétations. Essais d’herméneutique I, Le Seuil」、 1969年にフランスの哲学者ポール・リクール(1913-2005)により書かれたものです。リクールは物語論の第一人者的存在で、「時間と物語」が代表作です。

 物語論では①内容の構造類型、②表現形式を分析する二種類のアプローチ方法がありますが、リクールは①の内容の構造類型の研究で名を 馳せました。

 2000年には日本版のノーベル賞とも言える国際賞、京都賞を受賞しています。京都賞の受賞対象分野には先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の3つがありまして、リクールはこの思想・芸術部門の「思想、倫理」分野の功績が認められての受賞でした。京都賞のHPのリクール博士のページに受賞理由、すなわち、博士の哲学分野における功績がわかりやすくまとめられていますので、よろしければそちらをご参照ください。当時御年87才の博士がなんとも言えない表情でメダルを首にかけていらっしゃる写真も一緒に見ることが出来ます。

※ 余談ですが、京都賞受賞者にはメダルとディプロマといわれる証書の他、賞金1億(!)が授与されます。いいなー。(←え)

 本書はその7年後、リクール氏が92歳で死去した2年後に発売されました。

 原著が発表されたのはそれを遡ること40年近く前ですが、そんなに前の著作でも翻訳され、読まれ続けているところからも知の巨人の凄さが垣間見られますね。

 22のエッセイからなるこちらの著書では、構造主義や精神分析、分析学、宗教学など幅広い分野にまたがる事柄が論じられています。副題にも現象学やら実存などというワードがありますが、内容は更にディープなようです。それゆえ、アメリカの読者の感想中に「初学者が読むには難しい」といった声も見られますが、どうやらこちらの本、日本語訳は出版されていない模様なので、物語論、解釈学に精通したい方はぜひお手にとって挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

 

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