今回は建築関連の書籍をたくさん買取させていただきました。その中でも特に良い査定額をお付けできたものを以下にご紹介します。

「テレンス・コンランでディナーを」
「Shopping Malls」
「ニューヨークのリテイルショップ―インテリア&ディスプレイ (ストアデザイン)」
「ペーパークラフトの技法百科」
「杉本貴志のデザイン 発想|発酵」
「Super Potato Design: The Complete Works of Takashi Sugimoto: Japan’s Leading Interior Designer」
「イタリアンファッションブティック (ストアデザイン)」
「Wood Primer: The Sculpture of David Nash」
「Soul of a Tree」

などなど。
建築関連の書籍は、実際の建築物を読者にわかりやすく見せるため、外見・内容共に書籍自体もデザイン性が高いものが多いですよね。今回も日本だけでなく、海外のおしゃれな書籍がたくさんありました。

リスト中、「Super Potato Design: The Complete Works of Takashi Sugimoto: Japan’s Leading Interior Designer」は日本人インテリアデザイナー杉本貴志さん率いるSuper Potato が出掛けた全デザインが紹介されています。

杉本氏のもう一冊の本、同じくリスト中にある「杉本貴志のデザイン 発想|発酵」では氏のデザインに対する哲学や、アイディアのエッセンスが対談などを通して紹介されていますので、氏のファンの方は併せて必見です。

そんな中、個人的に一番気になったのが今回の一冊

「テレンス・コンランでディナーを」(2001年発行)テレンス・コンラン著

です。

 コンランといえば、日本でもライフスタイル・ショップの「ザ・コンランショップ」でおなじみですね。その名の由来である経営者、テレンス・コンラン氏はイギリス生まれのインテリアデザイナーであり、家具デザイナーであり、レストラン経営者で、王室から騎士（Sir）の称号を与えられたデザイン界の巨人です。

 そのコンラン氏、著作が多いことでも有名で、本書ではレストラン経営に関する様々なこと—場所の選定、設計と内装、料理と飲み物、サービスなど—を自身で生き生きと描写しています。

 1950年代以降、ロンドンを中心にパリやニューヨーク、ストックホルムなどでユニークなレストランを次々と開店させ、それらを成功に導いたコンラン氏は間違いなく経営の天才なのでしょうが、本書を読んでいると、レストラン経営を本当に楽しんでいるのだということが伝わってきます。そして、彼のレストランでは店舗内装のユニークさに目を奪われがちですが、実は基本にあるのは「真面目さ」だということ。デザイン性も必要であるけれども、食事を提供する場所としての動線であるとか、居心地の良さの追求(設計面でも、サービス面でも)など、当たり前といえば当たり前ともいえることをしっかりとおさえている著述に、彼の人柄への好意と成功の極意を感じました。

 このようにレストラン経営に興味のある方は、偉大な先人の書いた指南書として読むもよし、単に美しい、面白い、楽しい、美味しそうな内装や食事の写真にため息をつくでもよし、日がな一日楽しめる本だと思います。

 ただ、空腹のときに読むのは少しキツイです(笑）

 今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました！