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スタッフブログ 買取日記

2021/03/12

金融工学、数学、経済・経営関連書籍の買取 「本を読むときに何が起きているのか」

今回は金融工学やそれに関連した統計学、数学、経済や経営に関する書籍を中心に多数買取をさせていただきました。その中でも特に良い査定額をお付けできたものを以下に紹介させていただきます。

「最高の授業: スパイダー討論が教室を変える」
「たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」」
「インストラクショナルデザインの原理」
「インストラクショナルデザインとテクノロジ: 教える技術の動向と課題」
「ミクロ経済学の力」
「生命・人間・経済学 科学者の疑義」
「人を伸ばす力―内発と自律のすすめ」
「大学・中庸 (ワイド版岩波文庫)」
「本を読むときに何が起きているのか  ことばとビジュアルの間、目と頭の間」
「学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン」
「日本の給料&職業図鑑 パーフェクトバイブル」
「統計学のための数学教室」
「歴史と統計学 ――人・時代・思想」
「証券アナリストのための数学再入門」
「プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく」
「大学教員のためのルーブリック評価入門 (高等教育シリーズ)」

などなど。

 

経営に関する本も多かったからでしょうか、「学び」そのものにスポットを当てた書籍も比較的多かったように思います。その中でも特に気になる本がありましたので、そちらを今回の一冊にしました。

それがこちら

「本を読むときに何が起きているのか  ことばとビジュアルの間、目と頭の間」

(2015年初版、アートフィルム社)

です。「本を読むときに・・・」なんて言われたら、毎日本に接している古本屋としては気になってスルーできないですよ。

 

著者はピーター・メンデルサンド。アメリカのアルフレッド・A・クノップ社のアートディレクターにしてカリスマ装丁家です。こちらの本ですが、英語の原題は「What We see When We Read(本を読む時に私たちは何を見ているのか?) 」といい、「A Phenomenology With Illustraion(図解による現象学)」という副題がついています。

そのため、帯(裏表紙側)に踊る煽り文句「かつてない「文学×デザイン×現象学」の探求の書物」にも「現象学」という哲学用語が使用されているため、もしかして難しい本なのではないかしら?と思われる向きもあるかも知れませんが、そんなことはありません。「図解による」という現副題が表しているとおり、豊富な絵、写真、図により目を楽しませながら、本を読むときに我々は何を認識しているのかという現象学的エッセンスを楽しむことができるようになっています。

 

面白いのは、全編モノクロで構成された紙面の「世界観」でしょうか。さすが、手掛けたのはカリスマ装丁家。うーん、なんていうんでしょうかね、パラパラと頁をめくってみたときに私が思い浮かべたのはアメリカ紙幣に描かれた「プロビデンスの目」でした。あの、フリーメーソンがなんたらってヤツですね。もしくは、フロリダのディズニーワールドの中にあるトワイライトゾーン・タワー・オブ・テラーの世界観。あ、ちなみに日本のディズニー・シーのタワー・オブ・テラーとは趣や設定が全く異なります。

 

は?

 

と感じた方がほとんどの説明だと思いますが、文字だけで構成された本の読書体験の個人差も実はこんなものなのではないでしょうか。本書を読んでいるとそんな気になってきます。本書冒頭の”物語の登場人物に関する描写から各人が思い浮かべる人物像について”の話題にしても然り。同じ本を読んでいても、読者同士の、そして著者と読者の認識には絶対にズレがあります。私は本書を視覚的に捉えて、自身の体験した記憶から関連しそうな上記のものを引っ張り出したのです。他の人がどうだろうと、そうなのです。

そして、本書はそのズレや、なんでそのズレが起こるのか?の答えを提出してくれるものではありません。そういった認識のズレがあることの再認識をする問いかけが連発されているのみです。しかし、その問いかけから「ああ、確かに読書体験ってそういうものだよな…実際にあのとき、ああだった」と納得しながら自分の読書体験を消化できたり、「え?そうだっけ?確認してみよう!」と読書体験を再確認するモチベーションが上がったりするのが、とても楽しいのです。

この本を読んだ後で他の人と「そういえば、この本は私こう読んだけど、あなたはどう?」とシェアをするのもよし、自分の中の読書体験を掘り下げてみるのもよし、読書をより美味しく楽しみたい方にはすごくオススメの本だと思います。読書のみならず、学びの根本にある「意識」や「認識」の重要性に立ち返ってみるきっかけを与えてくれる本としても、良いのではないでしょうか。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

※お写真はお送りいただいた本のほんの一部です。またのご利用をお待ちしております。

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