経営学

経営学とは、経営を研究対象とし、経営の原理を究明する社会科学の一分野です。経営者や管理者に対して、経営上の行動指針を与えるという実践的な側面を持ち合わせています。

経営学が扱う「経営」とは、企業経営のみではありません。非営利団体やスポーツチーム、地方公共団体など金銭的な利益を求めない組織の経営も対象としています。経営学は、組織について研究する学問分野であるとも言えます。

よく巷で耳にするのが、「経営学、経済学、商学の違いが分からない」ということです。これらは、それぞれ似て非なるものです。経営学は、上述した通り、組織について研究する学問です。そのため、数式を扱って理論を立てるということよりも、数値化しづらい人間の行動や心理、思想を扱うことが多いです。それに対して、経済学は経済現象全体を数学的手法を用いて理論化し、分析する学問です。消費者はすべて合理的な選択をするという仮説を立て、理論を組み立てていきます。商学は、企業運営における実務を取り扱う学問です。会計理論や簿記、マーケティングなど実際に企業で働く際に使用する分野を研究します。このように、同じ社会科科学で隣接する学問分野であはありますが、それぞれ扱う領域が異なります。経営学は、数学的な議論はほとんどなされないので大学の文系学部においてもさほど問題はないでしょう。しかし、経済学、商学は数学を用いる分野が多く見られますので、左記の分野を学習する際は数学も学習する必要があると言えます。

MBAと呼ばれている学位は、「経営学修士」を指します。いわゆるビジネススクールを卒業すると授与されるものです。MBAホルダーになれば、経営組織に関する理論、知識を豊富に持っているとみなされます。ただ、経営学という学問の性質上、思想的な議論に陥ることが多いので、結局は企業現場で学んだことがそのまま修士論文に盛り込まれることが多いです。逆にいえば、実際に働く中で、疑問に思ったこと、素晴らしいと感じたことを論文としてまとめ上げる場を提供することが、ビジネススクールに求められていると言えます。