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2021/04/30

哲学・思想・社会学に関する書籍の買取 「孤独な群衆」

今回は哲学や思想、社会学など人文科学関連の書籍を多数買い取らせていただきました。以下に特に良い査定額をおつけできたものを紹介いたします。

「新装版 電通の正体」
「中村元選集 決定版 第1巻 東洋人の思惟方法 / インド人の思惟方法」
「中村元選集〈第3巻〉/東洋人の思惟方法〈3〉日本人の思惟方法」
「ゴータマ・ブッダ I 原始仏教 I 決定版 中村元選集 第11巻」
「中村元選集 決定版 第12巻 ― ゴータマ・ブッダ2」
「ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来」
「図説「最悪」の仕事の歴史」
「近世日本の批判的精神―日本の思想〈3〉 (決定版 中村元選集)」
「東西文化の交流―日本の思想〈1〉 (決定版 中村元選集 別巻5)」
「芸術と政治をめぐる対話 (エンデ全集)」
「中村元選集 決定版 第2巻 東洋人の思惟方法 / シナ人の思惟方法」
「ベルイマン自伝」
「校本 宮沢賢治全集 筑摩書房 15冊」
「計5冊 全訳 正法眼蔵 全4冊+正法眼蔵用語辞典 誠信書房 中村宗一 昭和60-61年」
「孤独な群衆」

などなど。この他、査定額はそこまで高くなかったものの、大逆事件に関する著作や良寛や小林ハルなどの伝記なども多くありました。

「ホモ・デウス」は「ホモ・サピエンス全史」以来、ヒット作を世に送り出し続けているユヴァル・ノア・ハラリ氏の著作ですね。上記リストでは下巻のみの紹介となっておりますが上巻もまとめてお譲りいただきました。上下巻とも、やはり話題の人気作。出品するなり、あっという間に売れていきました。こういった話題作は市場にあふれる前にお売りいただくのがオススメです。

一方、こちらもまとめてお譲りいただいた中村元氏の「中村元選集  東洋人の思惟方法」シリーズ、各品良い査定額となりましたが、こちらは”今旬の”というわけではありません。しかし、一定数の需要がある割には市場に出回っている数が少ない本なので安定した査定額をお付できました。

今回の”気になる一冊”は前者のような新しい話題作ではなく後者のような「昔ながらの名著」からセレクトしてみました。

それがこちら


「孤独な群衆」(1964年 みすず書房)

です。アメリカの社会学者リースマンが著した原題を「The Lonely Crowd A Study of the changing American character」といい、英語初版は1950年に出版されています。

リースマンの代表的著作であり、この本をリースマン自身の言葉で要約すると「全体的にいえば、伝統的指向から内部指向を経て、他人指向型に到る歴史的変化を論じた書物である」ということになり、そのベースとなる社会成員の「社会的性格」という考え方を導入した著作として知られています。つまり、個人の社会的性格は社会環境によって変化するという、今となっては当たり前感もあるアイディアを提唱しました。それまでは、どちらかというと個人の活動が社会に影響を与えるという逆方向のベクトルが論じられることが専らだったのですね。

詳しいことは本書に直接、もしくは、こちらの本について既に多く出版されている論評等にあたっていただくこととして、あくまでこの版の「序文」を読んだ感想をこちらでは述べたいと思います。

まず、リースマンらの予想以上に多くの読者層にこの本が受け入れられたことで、本書のセンセーショナルな部分、つまり、当時のアメリカ新中産階級と呼ばれる人びとが「他人指向型」で他人依存性が高いなどという極端に一般化された結論が強調されてしまったという事態は容易に想像できそうだなということです。こういった手の「○○は☓☓である、あるいは、そういった傾向がある」などという本は、きな臭いナショナリズムが高まっている時期であれば尚更、誇張されて消費されがちです。当時のアメリカは戦後、冷戦に向けてジワジワと”国”への意識を高めていっていた時代だと思われます。

今回紹介するこちらの版は、初版が出されてから十数年後に出版された改訂版とも言える版を原本にしているため、このような一般化については否定的であること、また、「他人指向型」の消極的な面のみならず、好ましい面についても記述が足りなかったこと等をリースマン自身が「序文」にて述べています。

こういった自身の研究成果に対する公平な目や、あくまで彼らの導き出したアメリカ人(当時)の性格傾向については「一時的なものである」と断りを入れる誠実性は、現代でも活躍されている”まともな”社会学者たちに連綿と受け継がれている研究者魂を感じさせるもので、書かれた内容への評価は横に置いておいて「格好いい!」と唸ってしまいました。

また、こちらの本には日本語版に向けた序文も付されているのですが、「こちらの本に書かれた内容が日本にもあてはまるかは分からない」とわざわざ書かれているにも関わらず、現在の日本にも言える部分を探してしまう浅薄なクセがどうしても出てしまいます。

著者はこうした一般化や比較を嫌う厳格な社会学者であることを長い長い序文で見せつけられたからには、本文に当たられる読者の皆さまにおかれましては安易な納得に終わるのではなく、社会変化と個人の性格の関連性について深い思索を行っていただきたいと思うのでありました。

・・・わたしにはちょっと、いや、かなり荷が重いので、お願いするに留めます(苦笑)

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

 

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