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2022/06/02

量子力学・教育・心理学・経営学など様々な専門書の買取 「良い戦略、悪い戦略」 2012、日本経済新聞出版社

今回は教育や心理学などの人文科学系の書籍から認知科学やAI、量子力学など幅広い分野の書籍の買取をいたしました。以下に特に良い査定額をお付けできた書籍を紹介いたします。

「ソーシャル・キャピタル―社会構造と行為の理論」
「当事者研究の研究 (シリーズ ケアをひらく)」
「The Emperor’s New Mind: Concerning Computers, Minds, and the Laws of Physics」
「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」
「みんなのベイトソン」
「良い戦略、悪い戦略」
「Parallel Distributed Processing, Volume 2: Explorations in the Microstructure of Cognition: Psychological and Biological Models (A Bradford Book)」
「Parallel Distributed Processing, Volume 1: Explorations in the Microstructure of Cognition: Foundations (A Bradford Book)」
「Advanced Quantum Mechanics」
「Relativistic Quantum Mechanics (Pure & Applied Physics S.)」

などなど。

上記リストをご覧になればわかるとおり、洋書も半分ほど含まれております。洋書というだけで買取をお断りされるお店もあるようですが、当店では英語で書かれた洋書の買取を歓迎しております!

特に専門家の方たちがどうしても研究に必要な情報が載っているのだけれど、日本語にまだ翻訳されていない専門書などは洋書に結構な需要があるのです。もし、お手元に使わなくなった専門書がございましたら、次に必要とされている方のためにぜひ、当店にお譲りください。思わぬ高値が付く可能性もあります。

 

さて、今回ピックアップする本の話に移りましょう。

多様なジャンルにまたがる書籍がたくさんあり、どれにしようか非常に迷ったのですが、こちらの本にしてみました。

「良い戦略、悪い戦略」 (リチャード・P・ルメルト著、村井章子訳、2012年、日本経済新聞出版社)

です。

「戦略」。この本でも言及があるのですが、元々は戦争時に勝利への道筋を立てるために策定されたことから生まれたこの言葉、現代、とりわけ平時では、もっぱら企業や組織の運営に関する意味で使われますよね。

本書の著者はリチャード・P・ルメルト。日本ではイマイチ知名度が高くない気がするのですが、戦略論と経営理論の世界的権威です。「世界で最も影響力のあるビジネス思想家ランキング」にも毎年選出されており、こちらの本の原書「Good Strategy/Bad Strategy」も2011年、Time & Goldman Sachs Business Book of the Year Awardの最終選考6作品にノミネートされるなど、その界隈では非常に有名な方なのです。本書「訳者あとがき」にも「経営学者ジェイ・B・バーニーはマイケル・ポーターにならびルメルトを高く評価」していると記載されています。

しかし、書名でググってみると、本書の名前が掲載された今流行りのビジネス書の要約サイトが出るわ出るわ…。アマゾンでも本書のレビュー数は800件近くあるなど、ビジネス・パーソンからの注目度の高さがうかがい知れました。

 

既述の「訳者あとがき」では、この「一見低そうな知名度」の原因を彼が「寡作であること」に求めています。しかし、だからこそというのか、本作はルメルトのコンサルタントとしての、いや、それ以前から社会人になってから現在までの、ビジネスに対する知見が凝縮された中身の濃い作品となっていると思います。

ルメルトは元々カルフォルニア大学バークレー校で電気工学の修士号を取得、のちにNASAの研究室に職を得ます。そこからいろいろあってハーバード・ビジネススクールで経営学の博士号を取得、その後は多くの企業・政府機関などにアドバイスをするコンサルタントとして活躍しています。

本書ではそれら自らが関わった企業や、時には政府機関などの事例を用いて「良い戦略」とはどういうものなのか、「悪い戦略」とはどういうところがダメで、どういうふうにすれば「良い戦略」を立てることができるのか?ということを巧みに説明していきます。アメリカの国防総省の戦略を「悪い戦略」としてバッサリ批判する部分などは、この道の大家でないとできません。

 

彼は「良い戦略」とは「単純かつ明快」であると述べています。そして、戦略とは「組織の存亡にかかわるような重大な課題や困難に対して立てられるもので、重大な課題に取り組むための分析や構想や行動指針の集合体」であり、「問題解決や競争優位へと導く」のが「良い戦略」、逆にそういった「明確な方向を示」さないものが「悪い戦略」の特徴であるとしています。

・・・「そんなこと、分かってますけど?」と思った方、いらっしゃるでしょうか?

そうです、別にハーバードで博士号を取ったコンサルタントに言われなくても、普通の倫理観に照らせば「そんなこと、当たり前」と思うような内容が多いのも事実です。しかし、それが分かっていてもできている組織が少ないからこそ、淘汰が多いのも事実。多くの企業経営者は方針やビジョンを戦略と取り違えている、耳に心地よい曖昧な言葉で具体性が伴わない戦略をやたら立てる、などの指摘はまさに的を射たものです。あなたの組織も、そういうことありませんか?

また、カバー折り返しの著者紹介では「市場の力を重視する伝統的な競争戦略論に対して、組織の持つ強みやコア・スキルなどを重視する・・・(以下略)」視点を経営学思想に持ち込んだことが著者の功績として記載されていますが、その功績にも関連する終章の2008年の世界金融危機と、それをもたらした市場至上主義への批判は、ともすると市場とお金に踊らされている現代人すべてに向けられた警鐘にも感じられました。ルメルトがそれを狙ったかどうかは定かではありませんが、このように彼の批判や指摘はどこか人生訓めいた普遍性があり、経営論としてではない多角的な読み方もできるので、「菜根譚」などが好きな方は好きそうだなとも思いました。しかし、「良い戦略」を立てるためのテクニック(第17章)では具体的なアドバイスもあり、実用的なビジネス書とのバランスもしっかり計算されています。

 

先ほど、ルメルトのこの著作は数々の要約サイトで紹介されていると書きました。そのため、主な内容については私がまとめるまでもないのかなと思います。

しかし、1つだけアドバイスを。そういった要約サイトで本書を「分かった気」になるのはおすすめしません。先ほどのような「そんなこと分かってる」という自覚を覆すには、多くの失敗事例を頭に刷り込んで、思い込みのしみ込んだ脳を一新する必要があるからです。著者も多くの失敗した経営者が「内部者の視点」(第18章参照:妥当な関連情報を無視する傾向のこと。根拠もなく「うちは大丈夫」と思い込む。)を持ち続けたことを批判しています。

また、こちらの本は比較的どこから読んでもある程度意味の通じる形にはなっていますが、微妙に前の章の伏線をうまく拾って話を広げているところもあるので、そういった一流コンサルタントの巧い話の組み立ての妙を味わうのも楽しみ方の1つかと思います。

 

あえて時間を割いて、自分の立てた戦略は彼の言う「悪い戦略」になってしまっていないか、あるいは「悪い戦略」を立てがちな思考人間になってしまっていないか、じっくり内省してみてはいかがでしょうか?

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

スタッフN

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