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スタッフブログ 買取日記

2024/01/24

音楽・思想・文学等の書籍買取 【40冊 6,744円】

今回は音楽を中心とした芸術関連書籍や政治哲学などの思想、文学関連の書籍を買取いたしました。以下に特に良い価格で買取させていただいたものを紹介いたします。

『悲しい曲の何が悲しいのか:音楽美学と心の哲学』
『大江健三郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集22)』
『シティ・ソウル ディスクガイド 2 シティ・ポップと楽しむ ソウル、AOR & ブルー・アイド・ソウル』
『自宅で湿地帯ビオトープ!~生物多様性を守る水辺づくり』
『批評理論を学ぶ人のために』
『フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う』
『ウエルベック発言集』
『革命論』

などなど。

上のリストはいずれも1冊250円以上で買い取らせていただいたもので、かつ、下にいくほどその値段は高くなっております。

一番下のこちら

『革命論』ハンナ・アーレント (著), 森一郎 (翻訳)、2022、みすず書房

755円で買い取らせていただきました。

『革命論』について補足

本書は1963年に原著『On Revolution』が発表されています。この際に使用された言語は英語でした。日本ではこの本を底本として『革命について』という邦題で1968年に合同出版社より、1975年に中央公論社から翻訳版が出版されています。最初の発表から60年程の月日が経っているのですね。その後、長らく絶版状態だったのですが、1995年にちくま文芸文庫から再訂刊行されました。

そして、さらにそこから27年経って刊行された今回の版。2022年、みすず書房版は上記のどれとも異なる特徴があります。

それは、上記の版が全て英語版を底本としているのに対し、2022年版はドイツ語版を底本としているという点です。

アーレントはナチスの迫害より逃れるためドイツからアメリカに亡命したユダヤ人です。その時、アーレント35歳。それからずっと英語を駆使して生活し、教鞭をとり、執筆活動をしていたわけで、その英語力は不自由ないものであったのは勿論でしょうが、やはり母語で綴るということは彼女の思想の襞を表現するのにより適していたのではないでしょうか。

ただでさえ彼女の思想は難解です。従前の英語版からは汲み取れなかったニュアンスが今回の版には含まれているかも知れません。(それでも、邦訳する際の「翻訳の限界」は必ずあるのでしょうが…)

↑写真は本書のカバー巻頭折返し。

全体的に新しい本が多めでした

今回お売りいただいた本はほぼ2010年以降の新しい本でした。上記の高額買取リストに限って言えば全てが2015年以降に発行されたものです。そのため、状態もキレイなものが多く、その部分も高額査定に繋がりました。

勿論、古い本でも「通常使用する範囲でどうしてもついてしまう程度のイタミ」がある本も当店では買取をいたします。一般的には忘れ去られてしまっていても、もう絶版になってしまった本、類書がない本、新刊書店は入手困難な本…など古本には価値も魅力もたくさんあります。

ただ、名著や人気の高かったヒット作などは出版から時間が経っていく過程で改訂版が発表されることも少なくありません。そのような場合、旧版はお値段が下がり、何より買いたいと思う人も減ってしまいます。

「この本、良い本だから次の人に読んでもらいたいな…」

そういった思いのある方は、大切な本を手放すのは難しいかも知れませんが、是非古くなる前にお売りください。

また、今回良いお値段で買い取らせていただいた『シティ・ソウル ディスクガイド2~』は現在リバイバルブーム中のシティポップに関連のある書籍です。その人気を背景に価値が高まっているものとしてお値段を付けさせていただきました。そのため、こういったブームが去ると買取価格が下がるかと思います。古本も売り時の判断が大事なのです。

全集は買い取れるのか?

当店では基本的には「〇〇全集」「〇〇体系」「百科事典」などの厚みと重さのあるシリーズものの書籍古紙回収にまわされてしまうことがほとんどのため買取をお断りしております。

詳細は過去記事をご参照ください。当店も営利企業であるため長く事業を続けるためにお客様へお願いしております。(画像をクリックすると記事が開きます。)

「あれ?でも、上のリストに大江健三郎の全集があるよね?」と思われた方は鋭いです。

↑『大江健三郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集22)』

「◯◯全集」などでも、最新のもの一部の個人の全集などにはお値段を付けられる場合がございます。

ただ、全巻揃っているのか、どの出版社から何年に発行されたのか、付属品(箱や月報など)はあるのか、その書籍の情報やコンディションによりケース・バイ・ケースのため「これなら絶対買い取るよ!」ということはこの場では言えません。すみません…。

もし、「これは買い取ってもらえるの?」とご不明な場合は、是非、事前見積サービスをご利用ください。実際に本を送ってしまう前に無料でご利用いただけますので安心です。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

スタッフN

※写真はお送りいただいたもののうちのほんの一部です。また、買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動します本文中の金額についてはあくまで記事作成時のものとお考えください。

 

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