2024/07/08
言語学関連の専門書(洋書・和書)の買取【約200冊 24,157円】
今回は言語学に関する専門書を買い取らせていただきました。言語学と一口に言っても日本語、英語、ドイツ語、フランス語…などなど個別の言語習得や研究から、それらを比較し成立過程を研究するもの、はたまた、そういった自然言語でもなくエスペラント語などの人工的な言語の研究など、非常に多岐にわたります。プログラミング言語なども大きく捉えれば言語学の範疇と言って良く、お送りいただいた書籍の中にもプログラミング言語に関するものも含まれておりました。
また、哲学の一領域とされる言語哲学も言語学とは切っても切れない関係にあり、言語哲学者のウィトゲンシュタインの著作なども買取させていただきました。
洋書の買取歓迎
当店は英語で書かれた専門書を積極的に買い取りしております。
本ブログ下方に今回の買取で特に高い査定額のついた書籍の一覧表を掲載しておりますが、ほとんどが洋書です。
しかし、残念ながらフランス語やドイツ語、スペイン語などの英語以外の言語で書かれた洋書については買取対象外となります。申し訳ございません。
ただ、「英語のみOK」という部分が独り歩きしてしまい、「英語に関する書籍でないと駄目」と誤解を与えてしまっているケースがあるようです。
もちろん、そんなことはありません!
英語以外の言語の習得のための和書も買取歓迎です。
例えば、こちら
『ロシア基本語辞典』木村彰一 監修、佐藤純一、新田実ほか共編、1969年、白水社
はい、露和辞典です。外箱が欠品していたら表紙のキリル文字に面食らいそうですが、こちらも買取可能です。
ロシア語の辞典というものは「その言葉を引いて調べる」ということ自体が厄介らしいですね。(筆者はロシア語を解さないので「らしい」という言い方に留まってしまうのが歯がゆいところですが、露語話者にとっても、その難しさゆえ非露語話者にロシア語の文字やら基本的な文法を教えるというのは避けたいことのようです。一度「ロシア語の基礎、教えてよ~」と知り合いの露語話者に頼んだところ丁重に断られたことがあります。…ただ単に嫌われていたのではないことを祈ります。)
本書の「まえがき」にも「ロシア語は辞書がひければ一人前と冗談にいわれるほど、ロシア語のとっつきにくさは並大抵ではないと信じられているようです。」と書かれています。
ただ、「信じられている」という言葉からは“本当はそうじゃないんだけどね”というニュアンスが漂います。
本書はそんな“ロシア語を学びたいのにその手前のロシア語の森で迷子になってしまっている初学者さん”に向け、基本的な語彙5,000項目にまで内容を絞った辞典なのです。まさに、タイトル通りの「基本語辞典」ですね。
紙面を見るとすっきりまとめてある印象がある上に、サイズもコンパクトで使いやすそうですね。ただ、こちらの辞典が発行されたのはいかんせん1969年です。ソ連のブレジネフの時代です。語彙が古いのは否めません。
この後も同じように、ほかの露和辞典に比べて語彙量を絞り込んだ『』(残念ながら当店には在庫がございません)なども2014年に発行されているようですが、果たして使い勝手はどうなのでしょうね…?
少なくとも当店調べでは今回の『ロシア基本語辞典』の方がロシア語学習者からの人気は高そうだ、という判断で買取をさせていただきました。
古英語だって買取対象です
また、今回は古英語(5世紀くらいから、だいたい11世紀のノルマン・コンクエストぐらいまでの間に使用されていた英語)に関する辞典も何点か買い取りさせていただきました。
特に、下表の最下段にあるこちら
『Old English Syntax Volume Ⅰ・Ⅱ Bruce Mitchell OXFORD (2冊セット)』Bruce Mitchell 著、1985、Oxford University Press
の買取額は驚きの7,000円です。
『vol.1 : Concord, the Parts of Speech, and the Sentence』『vol.2 : Subordination, Independent Elements, and Element Order』の2冊セットで、古英語の統語法の全領域を図示することを発行目的に掲げる大著です。なかなかこの規模の編纂をしているものは類書がなく、今回の高額買取となりました。
クリックすると拡大表示されます。
(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます。上記は2024.6.16時点の金額です。)
今回も良書をたくさんお売りいただき、ありがとうございました!
スタッフN
※写真はお送りいただいたもののうちのほんの一部です。