2026/04/17
歌川国芳 武者絵 ほか【3点 59,500円】
買取日記ジャンル
今回は歌川国芳(うたがわ くによし)の木版画浮世絵を中心にまとめて3点 59,500円で買取させていただきました。
国芳(寛政9年〈1798〉 – 文久元年〈1861〉)は江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。
今回は、国芳の魅力的なエピソードに触れながら、実際に買取させていただいた作品もあわせてご紹介できればと思います。
目次
国芳について
幼少期から絵の才能を発揮していた国芳は、12歳で描いた「鍾馗提剣図」が歌川豊国に評価され、15歳で入門しました。
貧しさから兄弟子・歌川国直の家で居候し、手伝いながら技を磨いたため、実質的な師は国直とする説もあります。
出世作となったのは、中国の物語「水滸伝」を題材にした「通俗水滸伝豪傑百八人之一人」シリーズです。この作品で人気絵師の仲間入りを果たしました。後に「武者絵の国芳」と呼ばれるようになり、歌川広重や歌川国貞と並ぶ歌川派の代表となります。
当時、彼が江戸の玄冶店(げんやだな)に住んでいたことから、国芳の一門は「玄冶店派」と呼ばれ、そこで非常に多くの弟子を育てました。
また、天保の改革で厳しい規制を受けますが、猫や魚を擬人化した戯画を描いて、規制をかいくぐって出版を続けます。さらに、幕府を批判する絵も描き、当時の庶民から支持されました。
猫好きの国芳
国芳といえば、大の猫好きとしても有名です。常に5〜6匹を飼い、作画中も懐に猫を入れていました。門下生たちも猫に囲まれながら絵を学んでいたと言われています。
亡くなった愛猫の供養を弟子の芳宗に託した際、芳宗はあろうことか供養代を吉原の遊女で使い果たし、猫の亡骸を捨ててしまったのです。これを知った国芳は激怒し、芳宗を破門にしたと伝えられています。
武者絵の国芳
国芳は武者絵で大きく名声を得ました。以前のブログ(勝川春亭 木版画浮世絵 【5点53,400円】)でも触れましたが、国芳は豊国の門下に入る前、武者絵で有名だった勝川春亭に学んでいたという説があります。後の浮世絵師・豊原国周も「国芳ははじめ春亭の門人だった」と語っています。
「武者絵」は合戦の場面や武者の姿を、力強い線と鮮やかな色彩でドラマチックに表現し、歴史上の有名な合戦だけでなく、架空の物語や伝説を題材にした作品のことを指します。
買取作品のご紹介
義経一代記五条ノ橋之図
若き日の源義経(牛若丸)と武蔵坊弁慶が出会ったとされる「五条の橋」での伝説を描いています。
軽やかに跳躍する牛若丸と、それを迎え撃つ弁慶の対比が見事に表現されています。
上杉謙信は戦国時代の越後国(現在の新潟県)の武将です。長年内乱が続いていた越後国を治めて、繁栄させるために尽くした人物です。
名工である左甚五郎が、歌舞伎役者に似せた人形を彫っている場面です。
しかし、その姿が国芳が好んだ「閻魔(えんま)のどてら」を羽織り、肩には「芳桐(よしきり)」印の手拭い、傍らには国芳の愛猫の姿があります。
実は、国芳は自分の姿を作品の中に忍ばせることがよくありました。顔を決して見せず、後ろ姿だけを表現します。この甚五郎の姿にも、国芳自身が投影されていると考えられます。
今回の買取について
状態の良さ、市場での評価、そして作品が持つ歴史的価値などを総合的に判断し、3点 59,500円とさせていただきました。
下表は今回の買取品とその査定額の一覧です。似たジャンルの版画のご売却をご検討中の方はご参考まで。
| 絵師 | 作品名 | 買取価格 |
| 歌川国芳 | 義経一代記五条ノ橋之図 | 15,500円 |
| 歌川国芳 | 名高百勇伝 上杉謙信 | 20,000円 |
| 歌川国芳 | 名誉右に無敵左甚五郎 | 24,000円 |
スタッフJ
【参考文献】
刀剣ワールド/浮世絵「歌川国芳」https://www.touken-world.jp/history/history-important-word/utagawa-kuniyoshi/(2026年04月08日参照)
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