2024/04/12
政治・哲学・経営学等書籍の買取 【1,147冊 66,878円】
今回は段ボール箱数にして13箱分の書籍をお売りいただきました。冊数にすると約1,500冊…!本来は沢山の書籍全てに分け入ってお伝えしたいところなのですが、今回の記事ではそのうちの約200冊を拝見し、ピックアップした内容をお伝えします。
以下のような書籍に特に良い買取額が付きました。
クリックすると別ウィンドウで拡大表示されます。
(買取額は市場の需要と供給のバランスにより変動するため、現在とは異なる可能性がございます。上記は2024.4.9時点の金額です。)
などなど。
買取額、一部公開いたします
さて、いつも本ブログを読んでくださっている方がどれほどいらっしゃるかは不明ですが(苦笑)、今回はいつもと様相が異なります。
なんと!いつもの高額買取商品リストに各書籍の買取額が明記されているのです…!ご覧のように上リストはすべて400円以上の買取額が付いた書籍を抜き出して作成したものです。
実は、当店をご利用いただくお客様から「ネットで自分でサクッと買取額が検索できれば良いのに…」というご要望を多く承っております。
それにお応えしたいのはやまやまなのですが、当店ではISBNやバーコードのない書籍も買取の対象となっており、そういったものもデータに含めるとなると大人の事情( )がございまして現状は実現が難しいのです。大変申し訳ございません。
その代わりといっては何ですが、こうして具体的な買取額を今までより多く公開することでお客様の参考となるよう努めますので、是非ご参照くださいませ。
古典的名著はやはり強い
拝見した中で一番良い買取額となったのは一番下のこちら
『アイデンティティとライフサイクル』E.H.エリクソン 著, 西平 直/中島 由恵 訳,2011,誠信書房
でした。
アイデンティティ。
筆者は青春時代(下手をすれば中年となった今も)、これについてやたら悩んだ(悩んでいる)記憶がありますが、時代を問わず思春期の若者は多かれ少なかれ「自分は何者なのか?!」について悶々とした思いを抱くものではないでしょうか?
本書の著者エリクソンは米国の著名な発達心理学者で、この青年期の発達課題として「アイデンティティ」概念を提唱した人物です。
こちらの本は、実は新しい内容ではなく1973年に『自我同一性――アイデンティティとライフサイクル』という邦題で一度出版されているという過去を持ちます(小此木啓吾・小川捷之・岩男寿美子の訳による)。原著自体はそれからさらに15年近く遡る1959年に出版されました。実に65年もの歳月が経っています。
21世紀に入り、エリクソン含むフロイトやユングなどの精神分析学に造詣の深い西平直氏と、同誠信書房から出版されているエリクソンの『アイデンティティ』(2017)で翻訳を務めた中島由恵氏が全面的に改訳を行い、新訳版として出版したものが本書です。
内容としては、エリクソンによる第一論文「自我と社会の関係」(1946年)、第二論文「健康なパーソナリティ」(1950年)、第三論文「アイデンティティの問題」(1956年)の3つの論文から構成されており、この中にはエリクソンがその後展開する思想の根幹を成す重要な論考が含まれています。
このように原著の出版からかなりの時を経ても尚、新訳版が発行されるような古典的名著にはそれだけの需要があるため、当店でも喜んで買取させていただきます。まさに本書の帯にあるような「静かに語り継がれてゆくべき思想」ですね。
今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!
スタッフN
※写真はお送りいただいたもののうちのほんの一部です。