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2021/03/29

東洋・西洋医学書籍の買取 「寝ころんで読む傷寒論・温熱論」

今回は洋の東西を問わず、様々な医学に関連する書籍を多数買取させていただきました。その中でも特に良い査定額をおつけできたものを以下に紹介します。

「昏睡状態の人と対話する―プロセス指向心理学の新たな試み (NHKブックス)」
「臨床脳科学―心から見た脳 (脳と心のライブラリー)」
「アイ・ボディ―脳と体にはたらく目の使い方」
「DSM-5 診断トレーニングブック: 診断基準を使いこなすための演習問題500」
「精神診療プラチナマニュアル Grande 第2版」
「エスノメソドロジー―社会学的思考の解体」
「寝ころんで読む傷寒論・温熱論」
「偶然を飼いならす―統計学と第二次科学革命」
「あなたへの社会構成主義」
「診断戦略: 診断力向上のためのアートとサイエンス」
「科学的認知症診療 5Lessons」
「大うつ病性障害・双極性障害治療ガイドライン」

などなど。

上記リストを見ると、医学の中でも特に脳や精神、認知に関する心理などに関するものが多い印象ですね。

ですが、今回気になった一冊は東洋医学に関するこちらの書籍(一部画像に加工をしています)。

「寝ころんで読む傷寒論・温熱論」(2017年初版 中外医学社)

です。犬もヒトも寝ころんでますね 笑。 こんな感じでリラックスして読めばいいじゃない、と著者も言っています。そのくらいポップでわかりやすく書かれた中医学の本です。

 

そもそも「傷寒論」とは何かですが、下手な説明より公益財団法人日本薬学会のHPに分かりやすい説明がありましたので、そちらを拝借いたします。(https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%82%B7%E5%AF%92%E8%AB%96)(※以下「 」内引用)

「3世紀の初めに長沙(湖南省)の太守(知事)であった張仲景が記したとされている『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』は、古来より散逸と発見を繰り返し、現在では、2部に分かれ、傷寒(急性熱性病)については『傷寒論(しょうかんろん)』、雑病(慢性病)については『金匱要略(きんきようりゃく)』として伝わった。『傷寒論』では、傷寒の病態を三陰三陽(六病位)と呼ばれる6つのステージに分け、それぞれの病期の病態と、適応処方を記している。— 中略 —なお、現在、中医学では『傷寒論』の六病論を経絡と結びつけ、六経説としてとらえている。 『神農本草経』、『黄帝内経』とともに中国医学における三大古典の1つに数えられる。」

・・・というわけで、急性熱性病について記されている本ということですね。その起源は3世紀にまで遡るというのですから、さすが中国ン千年の歴史です。

そして、傷寒論は漢方処方の基本を学ぶためのテキストにもなるのですが、急性熱性病のすべてをカバーするには至っておらず、初期に悪寒を伴わない「温病」の理解も必要ということで、本書では「傷寒論・温熱論」両方について紹介しています。

 

さて、上記引用部でも張仲景が記したものが「散逸と発見を繰り返して」現在に至るということが述べられているのですが、その点については本書でも説明がなされております。すなわち、現在伝わっている「傷寒論」と呼ばれるテキスト群にはいくつかのバージョンがあり、そのどれを採用するかによって内容が異なってくるというのです。ちなみに、日本で江戸時代以降広まった「傷寒論」は成無己の記した「注解傷寒論」がポピュラーだったらしいです。本書では、「難しいことはいい、臨床で治せればそれでいいのだ!」をスローガンに、全65項目から成るシンプルな「康治本傷寒論」と呼ばれるテキストをベースに解説がなされています。(原文と各条の意訳つき)

こちらの「康治本傷寒論」、どのくらいシンプルかというと1600年明代に成立した趙開美(ちょうかいび)が記した「趙開美本」といわれるテキストの6分の1ほどの分量なのです。え、そんなに削られてて大丈夫なのかよ・・・とも思いますが、上述の傷寒の病態を三陰三陽(六病位)」それぞれのステージの病態については簡潔に述べられていますし、一応それに対する漢方処方のレシピがついているので、大丈夫・・・そうです。

 

「「そうです」ってアナタ!そんな無責任な!」と思われるかも知れませんが、散逸を繰り返しながら様々なバージョンが作成されてきたこの手の古文書の類にありがちなこととして、それぞれの解釈が存在していて、それぞれを支持する研究者がいるので、素人には「ふーん、そうなんだー」と一度飲み込むことくらいしかできないのです。本著者もその辺は承知の上でして、異説があることにはちゃんと触れています。

そんなわけで、難しいところは文献学者におまかせするにせよ、他バージョンに自身で挑戦するにせよ、「傷寒論」「温熱論」をベースにした漢方処方の臨床入門者がそのエッセンスを理解するには、本書は良書と言えるのではないでしょうか。

わたしは臨床家でもなんでもない素人ですが、それでも「あー、桂枝湯って漢方処方のルーツはここなのか」「葛根湯は、だからこういうときに飲めば良いのか!」など市販薬の服用に役立つ記述もあって、大変勉強になりました。

 

今回も良書をたくさんお譲りいただき、ありがとうございました!

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